お母さんは癌が発覚してから一年3ヶ月の間

毎日欠かさず日記のようなものを書いてた。


その日の体調、体温、血圧、酸素濃度、

薬の種類、副作用の症状、

その日したこと、食べたもの、トイレの様子、

思ったこと、感じたこと

色々書いてて、今日全部読み返した。



わたしが聞いてなかった症状も書いてたり、

わたしには大丈夫だよって言ってた時期も、

頭痛や吐き気、いろんな症状が出て辛そうだった。



入院してからもずっと書いてて、

病院から家族が呼ばれて緩和ケアに移るか治療を続けるかの話をした時の日記に、


「このまま治療して様子見ることになった。

ゲムシタビンしたあと体調良ければ退院。

癌の保険補助使って家に手すりつけたりできるらしい。

腹水抜きながら10年通院あり」


とメモ書きしてあった。


10年通院ありってどういうことだろう

と考えてたら思い出した。


緩和ケアに移るか最後にゲムシタビンを試すか

選ぶように言われた時に先生が、


「ゲムシタビンが全く効果なくて、副作用が辛いだけという場合もあるが、

ゲムシタビンの効果が出て、10年とか生きれる人も奇跡的だけどいることもある」


って風に説明してたんだよね。



この時お母さんはオキシコドンの影響もあって

ぼーっとしながら聞いてたから、

後半の部分が強く記憶に残ったのかもしれない。



腹水たまるたびに入院して抜いてもらって退院しての繰り返しだったから、今後もしばらくそんな感じになると思ってたみたいだった。




ゲムシタビンを試したあと、効果があったのか結果聞くの緊張する。。

とわたしに言ってた。

わたしも同じ気持ちだった。





結局効果はなくて緩和ケア病棟に移ることになったけど、こうなることを先生は予測ついてたんじゃないかと思った。



ゲムシタビンの効果はなかったのか

と聞いた時も、結果は分かってたような感じの反応をされたし、その時すでに

緩和ケアの先生に部屋の空きの手配とか

話を進めてたみたいだった。




いきなり緩和ケアをすすめるとショックを受けると思って建前を言ったんだろうな。