わたしのお母さんは、わたしが小4の頃、

C型肝炎が発覚し、入院した。

インターフェロンなどの辛い治療をしながら

わたしとお兄ちゃんを育ててくれた。


子供がいながら通院して治療するのは本当に大変だったと思う。



62歳の時に癌が発覚したのも、

同じ総合病院だった。


長年お世話になっていて、通い慣れた病院だってこともあり、癌の治療も同じ病院に通院することになった。



お母さんは腹膜播種を伴う卵巣癌だったから、

そこに特化した病院や、名医を探して、

セカンドオピニオンをお父さんに提案してみた。



だけどその時のお母さんは疲れきっていて、

また別の遠い病院へ行って検査するのもお母さんの負担になるからやめておこう

と言われた。



そこの病院の先生は、癌のステージや余命は言わない方針だったのか、お母さんやわたしたち家族に

今後の経過を説明するとかは一切なかった。


お母さんの状態が気になるから、

毎日色々調べてた。



いつも病院に送り迎えしてたから、

その時に一緒に先生に話を聞きたい

と言ったけど、小さい子供もいてるし

先生がすごく多忙なこともあり、なかなか実現しなかった。





お母さんが亡くなる1ヶ月前に入院することになった時、初めて家族が呼ばれて先生と話をした時も、余命を宣告されることはなかった。


ただ、緩和ケアに移るかどうかを聞かれた。



同じ病院の中に緩和ケア病棟があり、

そこの緩和ケア病棟に入院することになったけど、

この時に自宅看護を選択しておけば良かったな

と今になって思う。


その時のわたしは何の知識もなく、

知識がある看護師やドクターが近くにいてる環境の方が安心だと思ったから。


その方が痛みや苦痛を取り除いてくれると思ったから。



でも実際は緩和ケアに入院してても、

ずっと痛みを我慢してて、

過去の投稿にも書いたけど、

痛いからといって痛み止めを追加してもらえる

とかの対応は難しかった。


お母さんは、「いつまでこの痛みを我慢しないといけないんだろう」

て言ってた。



看護師は、「痛みをゼロにするのは不可能」

とか、

「癌の痛みだけではなく、同じ姿勢でいることの痛みや、せん妄によるものもあるから、安易に痛み止めを追加することはしない」

と言ってた。


わたしからみると、どう見ても癌による強い痛みを我慢してるようにみえたし、

毎日お母さんをみてるわけでもない医師や看護師(交代制)よりも、ずっと付きっきりで見てるわたしの方がお母さんの辛さわかってるし

って思った。


他にも書ききれないけど納得できないことが色々あった。


自宅看護を選択していれば、訪問看護の人が来てくれるし、痛みや苦痛をもっと取り除いてくれる方法を提案してくれたかもしれない。



それになにより、お母さんが家に帰りたがってた。


お母さんが緩和ケアに入院中、

泣きながら家に帰りたい

って言ってたと看護師から聞いた時、

お母さんはもともと退院する予定の日に退院できなかったから、元気になって退院したい

って意味だと思ってた。


でも今思えば、退院したいんじゃなくて

自宅療養を望んでたのかもしれない。



入院した当初、

「今後、状態が落ち着いて家に帰れる状態になった時のために、自宅看護とかについて説明聞きたい」

ってお母さんが言ってたらしい(お父さんから聞いた)



お母さん家帰りたい?

て聞いた時、

「うん。でもまず状態が落ち着いてからじゃないと無理だけどね」

て言ってた。


その時のお母さんは、痛み止めがあまり効かず、

眠剤も効かず、

毎日全然眠れてなくて、

たしかにこのまま家に帰ってもお母さん不安だよね。

て思ったけど、

今思えば、わたしたち家族に気をつかってたんだと思う。


お父さんは、自宅看護反対してたし。(急変とかに対応できなくて心配だと言ってた)

お兄ちゃんは、仕事休めないし。

わたしは小さい子供いるしで、

付きっきりでお母さんをみる人が必要になるから、申し訳ないと思って遠慮してたはず。


お母さんはそういう気を使う性格だってことは分かってたのに。

なんでお母さんの本音の意図を読み取ってあげなかったんだろ。




過去に戻れるなら、無理をしてでも

自宅でお母さんを看ることを選択する。


お母さん、最後の願いだったのに

叶えてあげられなくてごめんね。