「漠とした不安」という言葉があります。
現代人はみな「漠とした不安」を持っていると言われますね。
しかし心理学的な見地から言うと、脳というものは「なにかがうまくいっていない」と感じるようにできていて、その解決方法を探そうとすると不安になってしまう、ということのようです。
だから、「脳は不安を感じるようにできている」と思えば、もう解決法を探さなくていいのだという考え方があります。
それでもやはり「だってなんとかしたいよね」という人はいるのではないでしょうか。
そんな方に、次のエピソードを贈ります。
7年ほど前、ある会報誌の仕事ではてなの近藤淳也氏(現代表取締役会長)を取材したことがあります。
近藤氏は起業した際に、家に頼った出資金があり「これが尽きればやめよう」と決めていたそうです。
私は「起業するときに、怖れはなかったのですか」と尋ねました。
すると
「もちろんありました。
でも、とんでもなく大きく見える怖れも小さく分解してみると、正体が見えてきます。
失敗しそうと感じたら、なぜそう思うのか、何が不安なのか。コストか、人的資源か、タイミングか……
原因がわかれば対処法を考えることができます」」
という答えがかえってきました。
たとえ「失敗するかも」と怖れが生じても
1つずつ「どうすれば」と考えていき、
「解決可能な小さな問題にまで落とし込む」。
そして、最後にもしも
「どんな風に考えてもよく分からない、対処のしようがない怖れ」が残ったとしたら……
それは
「本当に漠然とした意味のないものだから、捨ててしまってもいい」と。
どうでしょう。とてもスッキリすると思いませんか?
漠とした怖れや不安が雲のように浮かんでいたとしても
はじめのうちはその全てが「漠とした不安」かどうかはわからないもの。
まず、それはどこから来るのか見極めて、対処することで
・まだ解決していないから生じる不安
・解決できない、心理的な「漠とした不安」
に分けることができますね。
最後の最後に残ったものは、本当に意味がない、要らない怖れであり不安。
それは「漠とした不安」なので、大事に抱え込むこともなく
ゴミ箱に捨ててしまって大丈夫。
ねっ!
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「悩む」を「考える」に変える方法については、この本の51−53ページに書いています。
『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか』
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