20年くらい前のお話。
その頃おいらは、彼女さんが新横浜に住んでいたので、毎週末になるとデートの為に車で新横浜まで通っていました。
おいらが住んでいる多摩地区から新横浜に行くには、一番早いのが関戸橋を渡って柿生方面に抜けるルート。柿生を抜けて国道246号を横断し、第3京浜の港北ICを横目に、暫く走れば新横浜です。
結構長くお付合いしていたので、その道はかなりの数、往復したと思います。
ある日、国道246号を抜けた辺りの斜面に、白いスプレーで書かれた、落書きと言うには余りにも大きな落書きを見つけました。
出家と在家 僧と俗
20th → 21th 出家急げ!!
全く意味が分かりません。
異様なのはその大きさです。
1文字が人くらいもある大きさなのです。
20th→21thは、20世紀から21世紀になることを指してるのかな?とは思いましたが、何を言いたいのか皆目見当が付きませんでした。
出家急げ!!が、けじめ急げ!!になっているものや、出家急げ!!の出家だけが赤い字だったバージョンも存在していたと記憶しています。
「まぁ、頭のおかしな人ってのは何処にでもいるから」と、あまり最初は気にも止めていませんでした。
ネットを探したら、当時のこの落書きを収めた写真が1枚だけ見つかりました。
大変貴重だと思います。
拝借し、転載させて頂きます。
これは新宿の大ガード下に書かれたものだそうです。
ネタ元:https://2ch.vet/re_maguro_poverty_1514418917_a_0
毎週末に同じ道を通る訳ですが、この落書きは、どんどんその数を増して行きました。
「あ、ここにもある」
「あそこにもある」
最終的にはその一帯だけ、両手両足では数えられないくらい、この落書きがいっぱい。
彼女の家で寝てしまって、夜中に起きて家に向かって車を走らせている時、偶然にこの落書きを書いている人を目撃したことがあります。
横にはワゴン車が止まっていて、2人の男が立っていました。
周囲を警戒する風でも無く、本当に何か当たり前の作業をしているかのように、全く淡々とこの落書きを書いていました。
物凄く気になっていたので、車を停めて「これってなんなんですか〜?」と聞いてみたい衝動に駆られたのですが、何と無く嫌な予感がして、それは止めて置きました。
今にして思えば、声を掛けないで良かったなと思います ( ^ω^ ;
後年になって、なんとなくこの落書きを思い出し、ネットで検索すると...
オウム真理教が、なかなか出家しない在家信者の自宅周囲にこの落書きを書いて、出家を促すプレッシャーを掛けていたと知りました。
そう考えると、確かに「ある住宅街」を取り囲むようにこの落書きが配置されていて...
「声を掛けないでホント良かったなぁ」と、後からちょっと怖くなったのでした。