短大2年の夏は、就職活動に忙しい。
ましてや、バブル崩壊直後の就職氷河期。
友だちが、次々と内々定を決めていく中、
彼女は、なかなか上手くいかなかった。
私との たわい無い会話の中でも、時折、

でも、あまり変な所には、行きたくないしぃ。

フラワーアレンジの学校に行こうかなぁ、
でも、これ以上、お母さんに迷惑を
かけたくないしぃ。

と、言っていた。

そんな折も折、
私は、禁断の言葉をクチにしてしまった。
そう、大阪男の件だ。

その男は、アソビ人なんだよ!

という事を理解してもらいたかった。

彼女は、泣きに泣き、
最後に、

博之くん、嫌い。
いくら私の事をバカと言ってもいいから、
あのヒトの悪口を言わないで。

と言った。

私は、S子さんの事を、一言も言った覚えは、
無い!

とも言った。

私は、これで彼女との関係も終わった、と
覚悟した。