宮内庁の楽師として活動していた東儀秀樹著、タイトル通り『雅楽』の本です!
東儀家は奈良時代から1300年続く雅楽を伝えてきた楽家の名門、
僕の学校にも以前、東儀秀樹さんが来てお話してくれたことがありましたが、とっても印象的な話&演奏
でした!(といってももう具体的にどうゆう話だったかは忘れましたがσ(^_^;))
ギタリストに憧れ、高校までハードロックやジャズ、果てはクラシックやポップスも沢山聞いていた東儀さん。
雅楽に目をむけ、宮内庁の楽生科に進んだのはなんと18歳になってからといいますが、
宮内庁での問題児ぶりを披露しているので、とても楽しく読めます☆
折角なので内容も★
雅楽とは上代から日本に伝わる固有の音楽と、千四百年ほど前に中国や朝鮮半島などから伝来した
古代アジアの音楽がミックスされて、平安中期に完成されたものです。
しっかりとした音楽理論を持ち、オーケストレーションなども整った現存する音楽としては、
世界最古の音楽といわれているそうです♪♪
平安時代ですから源氏物語や陰陽道等の死生観なんかと繋がっている所があるみたいです。
人によっては体が勝手に反応して涙が出てくる、という感想もくるみたいで、精神性に深く関わってくるのではと考えてみると面白かもしれませんね。
ハワイでボートに乗り、東儀秀樹さんがシチリキ(←漢字難!)を即興で吹くとイルカが50頭近くも集まり、音に合わせてお腹を出してダンスを踊ってくれた。
今度は笙を吹くと明らかに違う反応して泳ぎ始めた。
イルカの研究家も20年間研究して、こんなことは初めてだと言うようです。
もしかしたら動物になどにも通じるバイブレーションがあるかもしれないということですね☆
まじめに雅楽の理論を軽く紹介。
雅楽には6つの調があります。
「壱越調」D、「平調」E、「双調」G、「黄鐘調」A、「盤渉調」H、「太食調」E です。
そして音階は、 宮、商、角、微、羽 の5音階。
しかし実際は西洋音楽と変わらず12音階全て使い、ピアノの黒鍵の音も全てそろっているようです。
12音あるのに何故5音階にしたかは五感、五臓、五徳など中国の五行思想に由来しているからとか。
その中で更に「呂音階」と「律音階」に分かれます。
簡単に言えば長調と短調の関係に近いものですが、その差は微妙のようです。
ここに「呂律(ろれつ)が回らない」という言葉の由来があるそうです☆
「二の舞を踏む」、「二の句がつげない」、「打ち合わせ」、「千秋楽」など、雅楽がルーツの言葉は沢山あるみたいです♪
移調の仕方なども独特で面白そうでしたが、そこまでは書いてませんでした(残念★)
パリの万国博覧会で、日本の雅楽から『笙』が出品され、その五線譜に直した楽譜も説明文とともに展示されていました。
その笙の和音構成をみたドビュッシーが、これは凄い和音だと愕然としたみたいです。
それ以降ドビュッシー♪の作風がガラリと変わったのは有名な話です☆☆
これだけ書くのにも結構時間がかかりました><
まぁとにかく、新書といえど「雅楽」の入門書としても十分しっかり書いてありますし、読み物としてもおもしろいです。
日本人なら是非雅楽を知っておきたいところ。
雅楽を知りたい方にも、東儀秀樹さん自身に興味ある方にもどちらもお勧めの本です♪
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