羽黒神社の氏子地内へ | 羽黒神社宮司のブログ

羽黒神社の氏子地内へ

今朝のローカル新聞記事。

たまたま、今日が羽黒神社の氏子の水無月のお祓いの日で、朝から氏子地内を回っており、

通常なら、会社や店舗も含めて、100戸ほどの件数を、三日間かけて一軒一軒訪問し、神棚に祝詞を奏上するのですが

今日は、住まわれている方が10数戸しかありませんので、一日でまわりました。

朝はまず、羽黒神社仮殿にお参りし、
倒壊してしまった神輿庫の様子を確認し、

何度見ても、涙が出そうになる無惨な姿ですが、

こらえて!


あいかわらず瓦礫の町ですが、

それでも、今住んでおられる仮設住宅ではなく、倒壊した家の前で、お祓いの神事を依頼される氏子さんが、数件ありました。


中には、すでに更地になったお宅も、
「ここでお願いします」
と。

氏子さんと色々話しましたが、

そのなかに、
「今住んでる仮設住宅は、あくまでも仮住まいで、お祓いは、倒壊していても、もとの敷地でお願いします!」
という方がおられ、

それはつまり、

いずれ、この場所に帰ってくる!

という意思の表れだということが見てとれました。

同時に、新聞記事を見られた方は、お神輿が破損したことを、本当に嘆いておられて、

ただ、今後のことは、言わない、
というより、言えない。

先は全く見えませんからね。

私が住む仮設住宅以外にも、町内には仮設住宅のエリアがあって、そちらにも伺いました。

「今後とも、よろしくお願いします」

その一言がうれしいです。

「今、こういう状態だから」
と、神事を断られた方も、少ないながらおられます。
それで、市内でも一、二の激震地で、被害が甚大だった羽黒神社の氏子、正院小路地区をどうするべきか、
そうとう悩みましたが、

結果、
回ってよかったと思います。

やはり、
兼務社の氏子さん同様に、軒数は少なくても、一軒一軒での話が長いので、時間はかかります。

でも、お一人お一人の思いが聞けて、

まあ、そこは、泣き笑い、

でしたけどね。

この水無月の神事は、夏場の疫災を防ぐ願いとともに、
氏子個々の話が聞けるコミュニケーションの場であったこと。
神社のお祭りだけですと、個々に話すのは限界がありますからね。

この神事を残してくれた先人に、感謝です。