温度差 | 羽黒神社宮司のブログ

温度差

元日の地震で、受けた被害の度合いによっても、変化を余儀なくされた生活の度合いによっても、それは大きく異なるとは思いますが、


神社や祭りが生活の一部になっている人と、そうでない人では、その関わり方が大きく違っており、


特に、6月のように、ご自宅を訪問し、神棚前の神事を行う場合、その感覚は人によってかなり違っていて、

「なぜこんな大変なときに祭り(神事)をするんだ」

という方と、

「家も神社もつぶれたけど、神様はいるんだから当然だ」

という方。


私も、さすがに正月三が日の神事は出来ずじまいでしたが、

2~4月は、たとえ宮司一人でも、神事は簡素ながら齋行いたしましたが、

批判もあったとは聞いております。

それは仕方がないですね。


土日に回った集落は、そういうややこしい話もなく、

ただし、遠方に二次避難の方や、すでに転居された方は別にして、

昨日は、普段は避難所や仮設住宅に入居されている方が、自宅の水無月祓の時間だけ、戻ってこられて、お参りされた方が複数おられました。

そのお気持ちもありがたいですが、
何より、バラバラに仮住まいのみなさんに、ちゃんと案内が行くということは、地域のコミュニティーが崩壊せずに、残って機能しているということであります。

倒壊家屋の前で祝詞を奏上することも数回。


建っていても、これだけ地面が隆起や陥没じゃ、とても住めません。

結局、震災前は17戸あった氏子のうち、10戸のお宅で水無月祓いを齋行。
それでも、割合的には正院近辺よりはずいぶんいいです。

午後から、氏神さまの八幡神社で除蝗祭と大祓式を齋行。
本来は、害虫をおびき寄せる「虫送り」のご神火である左義長。

社殿は建っておりますが、本殿に甚大な被害がありました。


「避難生活は長いけど、お祭りの案内がいただけて、うれしい」
って言葉を聞くと、こちらもうれしいです。