疫神齋(えきじんさい) | 羽黒神社宮司のブログ

疫神齋(えきじんさい)

ついたちから始まっております、水無月の祓えは、天保の大飢饉あたりから、主に田畑の害虫を送る、いわゆる「虫送り神事」の意味合いが強いのですが、

本来は、半年間の間に知らず知らずに積もり溜まった罪、穢、災禍を祓う神事であり、

同時に、この季節に蔓延しがちな、疫病を祓う「疫神齋」の意味を含んでおり、


今回は震災のため、氏子の家屋には甚大な被害があり、避難所や仮設住宅、または市外への避難で留守のお宅も多く、どうするか、よっぽど悩みましたが、


しかし、被災地で(食中毒等の)疫病が蔓延することは、往々にしてありうることであり、

そう考えますと、この神事はいつもの年にもまして大切と考え、

受け入れてくださるかどうかは別にして、地元に残っておられる方だけでも、と、ご案内をいたしました。


まずは水無月のおついたち参りから。


早朝6時より、羽黒神社、次いで片姫神社で大祓詞を申し上げ、


その後、初日の水無月祓、平床地区へ向かいましたが、


行く先々で、倒壊家屋、とりわけ、二階が一階を押し潰した家屋が多いこと。



結局、お祓い出来たお宅は、18軒中、4軒で、
しかもそのうち二軒は、この神事のために、わざわざ避難先からつぶれたご自宅まで出向かれた方でした。
そして、取り出すことが不可能な神棚は、解体前に、家屋前より、御霊抜きの神事を奉仕。

最後に、氏神、平床神社の境内で大祓詞を奏上。

翌二日、本日は雨の中、氏子数10戸の集落、飯塚乙谷出地区。
ここは、まだ建っている家は多いですが、土砂崩れ災害があり、住めないお宅も多いです。

お祓い出来たお宅は六軒。
そのうた、家屋に入ることが出来たのは、わずか2軒で、ほかは家屋前の玄関先で神事です。

今はとにかく、氏子さんと顔をあわすことが大切だと考えます。

氏神、火宮神社は社殿裏に土砂がせまっていて、危険で殿内には入れず、やっぱり境内で大祓詞奏上。

二日間でわずか10軒。
例年の1/3の戸数ですが、

出来る限り、まわります。