御神体救出劇② | 羽黒神社宮司のブログ

御神体救出劇②

御神体をお納めする本殿は、覆屋ごと1メートルほど東にずれて、
さらに、倒れた拝殿に引っ張られたかたちで、大きく前に傾き、
ひょっとしたら、本殿の前から御神体を出すのは無理かもしれないと、

とにかく、一度様子を見てみると、復旧ボランティアに来てくださったH氏が先に、倒れた覆屋の壁の下を進んでくださり、

見せてくれた本殿の姿がこちら。
見た瞬間、

言葉を失いました。

もう、修理なんか絶対不可能なレベルです。

柱がほぞごと折れて、建物全体が平行四辺形。

そしてそれは、入るのはとてつもなく危険な状態ということです。

しかし、後ろの壁を壊すと、さらに崩れる可能性もあり、
(壁が湾曲しており、かなり圧力がかかった状態)

「どうします?」

う~ん・・・

「宮司さんのお許しがでれば、私が代わりに行きますが、」

「宮司さんの方が細いから、入りやすそうですけどね」

・・・

御神体を動かすのは当然宮司の仕事、
しかし、災害ボランティアの経験値は格段にH氏がうえ。

・・・

とりあえず、タバコ吸って考えましょ・・・

そんなこんなで、
雑衣のまま修祓をして、

行きます!


このあとは、とにかく早く仕事を終わらせて、脱出すること。

ここで余震が来て崩れたら、

終わりです!

時間は長くも短くも感じ、

本殿内陣の逗子より、無事、御神体を取り出すことが出来ました。

その後、本殿回りの取り出せそうな神具を諸々取りだし、

御遷座の旨、簡単に申し上げようと思いましたらば、

ナント!
H氏は、遷座祭ようの神饌まで用意して下さってました。

いつまでか、全く先は見えませんが、さしあたっては、危険な本殿から仮宮にお遷りいただいた旨、申し上げました。

緊急時ゆえ、出来る範囲ですが、
少しほっとしております。

H氏には何から何までお世話になりました。

あの危険な本殿に、入る覚悟がなかなかつきませんでしたが、

そこはなかなか、

その気にさせるのもプロですな(^o^;)

ありがとうございます!!
(遷座の白手袋の代わりに使った軍手)