大嘗祭研修会 | 羽黒神社宮司のブログ

大嘗祭研修会

本年の石川県珠洲神社総代会総会は、8月31日、珠洲商工会議所にて、管内神職並びに管内神社氏子代表、約50名が集まり、開催されました。

会場は、画像左端に、珠洲の名勝見附島が見える、風光明媚な、市商工会議所でございます。

 

この日、審議事項終了後、当支部副支部長でもあります、春日神社K原宮司講師により、本年11月14~15日に齋行されます、大嘗祭についての講演がございました。

なんかね、

事前に、事務局から県神社庁に、適当な講師を紹介していただくよう依頼をしたところ、

 

「大嘗祭関連なら、K原宮司でいいんじゃない?」

と、内輪すぎて少々安易な気もいたしますが(^^;

 

しかし、最近は北陸の神職対象の研修でも、講師として活躍しておられる同氏でございますので、知識はシッカリしておられます!

 

で、

資料にありました画像がネット上にございましたので、拝借いたしますが、

天皇が即位後に、初めて新穀を神々に捧げる、つまり初めての新嘗祭が大嘗祭であり、

 

しかし、応仁の乱以降、約200年間中断されており、復活したのは東山天皇が即位された貞享4年(キリスト暦1687)で、その折に建立されたのが、上の画像の大嘗宮(だいじょうきゅう)悠紀(ゆき)殿、主基(すき)殿の絵図でございます。

 

大嘗宮は、大嘗祭だけのためのみ、建立される特殊な神殿でございますが、

平成2年の、元上皇陛下の大嘗祭の折、神道色が強いとして、国事行事とは認められず、宮中行事として、宮廷費でまかなわれ、

今回、経費節減の為、一部簡略化されるとの話しがささやかれておりますが、

それはまことにけしからん事である旨、講師も申されておりますが、

 

そもそも、大嘗祭は今上陛下の御代、国民が平和でありますよう、神々に懇願する神事であり、

国民安寧の為には、簡略化など、もってのほかなのであります。

 

つまり、国民のことなんかどうでもよく、自分の報酬が減ることの危惧ばかりしている政治家の発言ではないかと、私は思っております。

 

 

それはさておき、

これは、平成2年の大嘗宮の模型ですが、

ひとつ前の絵図では、悠紀殿主基殿の入り口が、正面より向かって左にずれていたのが、後に正面に変更されたようで、

その理由も不明でございますが、

 

そもそも、もともと大嘗祭は、資料を残さず、皇室関係者が、己が経験と、歴代からの口伝のみで伝えられており、貞享4年の復活の折は、かなり、想像もはいっていた・・・かもしれない、とのことで、

古代の姿に戻すよう、いまだ研究中だそうで、

 

なら、なおさら簡略化なんかトンデモナイことであります!!\(*`∧´)/

 

で、

悠紀殿内陣の図でございますが、

神座が神々を斎奉る場所で、御座が天皇が坐す場所、

神食薦が、新穀をはじめとする、神饌を備える場所で、

左下の采女(うねめ)代座が、多くの手長(お供えを運ぶ人)より、最後に天皇にお供えを渡す女性の座だそうです。

 

で、

神座の御衾や御単とは、ようするに布団のことで、

(模型です)

これが何を意味するのかは、まったく伝えられておらず、考察しかなく、説も諸々なのですが、

 

大嘗宮のことを、別名「産屋」と呼ぶことがあるそうで、

つまりは、このお布団は、新しい神様が産まれる所(???)

 

というと、

まさに、先月助勤奉仕に行っていた、輪島のお祭りとの類似点が見え隠れするのですが、

 

現人神(あらひとがみ)という言葉は、「天皇は神」という意味とは少し違って、

「神々を祀る神性を帯びた存在」という意味で、

 

天皇に即位後、新しい神の出現は、天皇と一体化し、

新穀を奉ることによって、国土と一体化し、国民を守る存在となる・・・

というのは、ほぼ私の考察ですので、お気になさらないでください(^^ゞ

 

 

まあとにかく、

有意義で興味深い研修会でございました。

 

 

大嘗宮の簡略化の具体例として、

茅葺き屋根を板葺にする、みたいな意見があるようですが、

 

それってね、

トラックのタイヤを自転車のタイヤで代用するようなものですよ?

 

 

それとね、

「宮中行事なんだから、天皇の私的な行為」みたいなバカなことを言うテレビのコメンテーターもいますが、

 

大嘗祭は「国家国民すべて」の為の行事であって、お前が出演しているアホ番組の数兆倍(いや、比べられる単位が無い)重要なうえに、崇高なのであります。

無知コメで汚さないでいただきたいのであります(-"-;A

 

 

質疑応答の時間、いろいろ質問はあったんですが、私が質問すると、長くなるのでやめといた、

と、後でK原宮司に言うときました(;^_^A