初インド旅行記1996(13)うりうり売り | たびぶくろツアー☆

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とあるオッサンの手慰み


1996年


3月



インド 


ニューデリー






どこ行きか、さっぱりわからないオンボロバスに乗ると

青年がヒンディー語で運賃の徴収に来た




何を言っているのかわからないので

おれは2ルピー渡して

「ワタシ ワカラナーイ」と

てのひらを上にあげるジェスチャーをする



青年は怪訝(けげん)な顔をしながら、屑紙のようなチケットをくれた





窓が外れそうなくらい、ガタガタのバスに揺られて

どこかへ向かう…




風景も揺れながらすっ飛んでゆく…




$純喫茶ぴらにあ

揺れる車内




バス停に停車するたびに

いろいろな売り子がバスに乗り込み、騒がしくなる



バナナ売り、水売り、甘そうなお菓子売り、わけわからんおもちゃ売り…

彼らはバスが走り出す前に降りていくか

もしくは、そのまま乗って次のバス停で降りていく




なかでも、おれが気になったのは「ウリウリ売り」

まあ、おれが勝手にそう名付けただけだが…

「ウリィ~ウリウリウリ!
ウリィ~ウリウリウリ!」


と言いながら

ヤシの殻にへばりついた白いカスを売り歩く売り子

「なんだよウリじゃねーのかよ」




となりのおっさんが「ウリィ」と言いながら

1ルピーを出しているのを見て


「DIOかよ…」と突っ込み




$純喫茶ぴらにあ





おれも真似して
「ウリィィ!」


と言いながら1ルピー出して食べてみた




$純喫茶ぴらにあ




うまくも何ともない

まず味がない、しかも食べ方が貧乏くさい…

ヤシの殻にこびりついた白いカスを

歯でそぎ落としながら食べる

前歯に軽い違和感を覚えて食べるのをやめた






$純喫茶ぴらにあ






食べ終わったオッサンの真似して

おれも「ウリィィ!」



$純喫茶ぴらにあ


と言いながらウリィを

窓から投げ捨てる







なんだか、落ち着いてきた


落ち着いて風景に目をやる冷静さも取り戻した


すると、どこだかまったくわからない風景に

ひとしきり不安を覚え、うろたえてバスを降りる




流しのオートリキシャーに

「パハル・ガンジ(メイン・バザール)に行って」

と声をかける




$純喫茶ぴらにあ


リキシャーに揺られながら思う…



明日は無賃で鈍行列車に乗って

どこかへ移動しよう…


そして、どこかの駅で時刻表を手に入れよう…そうしよう…











見覚えのある通りにさしかかる…





また怒りがこみ上げてきた…





$純喫茶ぴらにあ