弾丸インド旅行記2012(16)「カーン・ナカムラのオートリキシャー」 | たびぶくろツアー☆

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とあるオッサンの手慰み

2011年

1月1日

インド

曇り空のアーグラー



肌寒いホームに降り立つ
乗ってきた列車を記念に撮っていると

$純喫茶ぴらにあ




ひとりのおっさんが,おれたちに
「わたしはホテルのオーナーで
今日はヒマだから
今からお前達にアーグラーを案内してやる」

と言う



およそホテルのオーナーらしからぬ薄汚れた姿の
そのおっさんを
半開きの眼で見つめながら

「ノーサンキュー」

と答えて駅を出る





駅前のプリペイド式のオートリキシャー(三輪バイクタクシー)乗り場へ行く

「タージマハルへ」
と運転手に告げると
この運転手は運転しながら
カタコトの日本語をしゃべり自己紹介

「ワタシ ノ ナマエ ハ 

ナカムラ デース!」









……もう降りようかと思った






「アイム マチョメーン!」


と言いながら力こぶをつくり
イベリコに触らせようとしていた

「さわんなやっ!
んなもん!」



隊長触って一言
「すご~い!カチカチ!」



「……あっそ、そんなことするから
この自称ナカムラが図に乗るんだよ、くそっ」




このナカムラこと本名カーンは
運転しながら一冊のノートを取り出し

「ミテクダサーイ!」

とイベリコに手渡す



$純喫茶ぴらにあ




そこには日本人を含む旅行者の
カーン・ナカムラに対する讃辞が性懲りもなく綴られていた…


書き出し文が、ほとんどいっしょで
「最初はうさん臭いマッチョメンだったけど
実はとても親切なマッチョメンです
彼の勧めるレストランは
とてもおいしかったので
チップに500ルピーあげちゃいました」


やるなやっ!
んなもんっ!


案の定 カーン・ナカムラはおれたちに英語で

「タージマハルを見た後
いっしょにランチをしよう!
とてもおいしいレストランを知っているから」

と言い出した


「ダメデース!」
と答える、おれ



「ナンデ? ニホンジン イッパイ ワタシニ カンシャ シテルヨ?」

おれは
この手の
「他の人は、みんなやってるのに
なんで、あなたはしないの?」的な勧誘が大嫌いなので

しかもカタコト日本語で言われた日にゃあ……

うしろから運転してるナカムラのクビを締めたくなった…
つか、自分の名前をナカムラって言った時点でイラッとしていた



おれがイライラしているのに気付いたのか
サイドミラー越しに
おれの顔色をちらちら気にしながら
ナカムラは無言になった


そしておれたちをタージの近くに降ろして
大人しく去っていった


……ほんとは良い奴かも知れないが
のこのこ着いて行ったら
騙されるのがオチだからなぁ


$純喫茶ぴらにあ



やっと、タージマハルに着くも
入り口まで長蛇の列が……