「社会で通用しない 漢字学習の顛末……」 | はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

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国語教師は生徒に国語を教えるだけではいけない。教えた国語が通用する社会づくりをしなければ無責任。そう考える「はぐれ国語教師純情派」の私は、今日もおかしな日本語に立ち向かうのだ。

 中学生も3年生にもなると、男子生徒の中には髭剃りをするものも出てきます。偉そうに、

 

  「先生は髭剃りどうしてるんですか?」

 

なんて生意気にも話しかけてきます。今回は、ちょっとだけ私の「髭剃り話」にお付き合いくださいまし。

 私は電気髭剃りが嫌い(充電とメンテが面倒。音がうるさい。熱と振動で顔がかゆくなる。ちょっと金属臭い、その他いろいろ)なのでT字型の手剃りの髭剃りを使っています。

 でもね、この「T字型の髭剃り」にも種類がいろいろあるんです。まず、刃がカートリッジ式になっているものがあるのですが、私の場合はこれだめなんです。カートリッジが切れて、スーパーやドラッグストアで探すと同じ品が見つからないんです。それで別の本体セットを買うわけです。延々とその繰り返しです。どんどん使わない本体がたまっていきます。メーカーも新商品の発売と廃番とを繰り返しているものと思われます。その方が儲かるわけです。それに加えて、私が自分の使っている髭剃りを覚えていられないことも原因です(でも、パッケージを脱がせた何の変哲もない髭剃り本体をそれほど意識できるものでしょうかね? それに使うのは寝ボケ眼の朝方ですしね)。そういうわけで、私は「使い捨て派」です。

 「T字型の髭剃り」は、商品によって刃数が違います。私の髭はさほど剛毛ではありませんが、それでも「1枚刃」や「2枚刃」では話になりません。「3枚刃」でも怪しいです。これらでは「剃り残し」が出ます。それに苛(いら)ついて乱暴に操作すれば顔から血が出ます。それで、私は「6枚刃」を使います。これはなかなかの「優れもの」です。滑らかで無理なく剃れます。 この「使い捨て6枚刃髭剃り」は「100均」で買えます。もちろん、1個100円です(「1枚刃」の品物は1袋に10個とかも入っています)。

 ある日、100均「C店」に行きました。ところが、「衛生用品コーナー」を見ても、髭剃りが見当たりません。それで、レジの店員さんに尋ねました。

 

 私「すみません。髭剃りはどちらにありますか?」

 

 若い女性店員さんが指さしながら、

 

 店員「あの、ギョウラクヨウヒンコーナーの裏側にあります」

 私 「ギョウラク?」

 

 指さした方を振り向くと、そこには「『行楽用品』の表示札が下がっています。

 

  『ははあ……、この女性はこの年まで「行楽」を「ギョウラク」と覚えたまま今日に至ったんだなあ……』

 

 漢字勉強、大切ですね。今日は、こんなところにオチをつけてみました。