「トレンド食品」 | はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

国語教師は生徒に国語を教えるだけではいけない。教えた国語が通用する社会づくりをしなければ無責任。そう考える「はぐれ国語教師純情派」の私は、今日もおかしな日本語に立ち向かうのだ。

 時々、聞いたことのない食品名が頭上を飛び交います。そして、やがて社会に定着したり、消えていったりします。

 どうもティラミス、ナタデココ、パンナコッタなど、デザート系にはそういうのがとりわけ多いような気がしますが、お酒でもそうでしたね。お酒のメーカーが、

 

「ブランデー、水で割ったらアメリカン」

 

なんて言い方を流行らせようとしていた時期もあったように思えますし、麦茶で割ったウイスキーを「アカプルコ」などと呼ばせて、お洒落感を出そうとしていた時期も確かにありました。それから、水割りの濃さを「ワンフィンガー」とか「ツーフィンガー」なんて言い方で流行らせようとしていた時期もあったと思います。でも、どうやらそれらはさほど定着しませんでした。

 さて、ちょっと野菜類で考えてみたいと思うのです。野菜類で同列に挙げられるのは、まずモロヘイヤ。これはいつごろから庶民の食卓に載るようになったのでしょうか? 案外、平成に入ってからじゃないでしょうか? 原産はエジプトですからね。アラビア語で、「王様の食べる野菜」という意味なのだそうです。そんじょそこらの野菜よりもぐっと栄養価が高いのだそうですね。モロヘイヤはけっこう定着しましたよね。我が家の食卓にも夏場によく出ます。私は、ちょっとのど越しが気になります。

 ヤーコン。これは、時折、給食にも出ます。やはり平成に入ってから広まったのだと思います。私の住む県内でも各所で栽培されています。原産は中南米。やはり栄養価も高いそうですが、定着率はモロヘイヤほどではないと思います。チンゲン菜にも負けているかな?

 さて、今日の本題はここからなんです。マコモダケ。最近、ちょくちょく給食に出るようになりました。献立表によると、Y県H市でも力を入れて栽培をしているそうです。名前からすると「マイタケ」「まつたけ」みたいに、いかにもキノコの仲間のように思えますが、実は、イネ科の水生植物「マコモ」の花芽に黒穂菌を寄生させ、根元を筍状に肥大化させたものなのだそうです。ちょっと不気味。カリウムが豊富で、筋肉のエネルギー代謝や神経の伝達、そして筋肉の収縮を助ける働きがあります。成長期の子どもたちにはぴったりです。また、カリウムはデトックス効果が期待できます。便秘がちな女性にもいいかもしれません。

 でも……、果たしてこのマコモダケ。しっかりと日本の食卓に定着するのでしょうか?