「保証は3年、または10万キロです?」 | はぐれ国語教師純情派~その華麗なる毎日~

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国語教師は生徒に国語を教えるだけではいけない。教えた国語が通用する社会づくりをしなければ無責任。そう考える「はぐれ国語教師純情派」の私は、今日もおかしな日本語に立ち向かうのだ。

「保証は三年、または十万キロです」

 

 先月、車を買いました。それまで乗っていたマツダ車は、9年目、走行距離が20万キロ弱、計器類の照明がつかなくなり限界寸前だったのです。

 これまで、女子バレー部の練習試合や「移動部活」の日が来るたびに、

 

『ああ、今度、車を買うときは、トランクが広目の車がいいなあ』

 

と思ってきました。なにしろ、マツダのアクセラに部活道具一式を積み込むと、助手席に積んだボールの入ったバッグだとか救急箱だとかが、右折するたびに運転席に崩れ落ちて来たりしてたのです。

 車屋さんをやっている友人が、体が良くてリーズナブルな「ゴルフヴァリアント」の中古を探してくれました。かくして私は先月から、「Deutscher Autobesitzer(ドイツ車オーナー)の仲間入りをしたのです。そうはいえ、3年落ちの中古車。いろいろ不具合も見つかります。ワイパーが劣化していたのでしょう。凍りついたフロントガラスから引き離そうとしたら、「ぴろぴろ」とうどんのように細長く裂けてしまいました。ショック!!

 

『きっと純正品は、関税もかかってて高いだろうな……』

 

そう考えて、最初に「〇ートバックス」や「〇エローハット」に行ってみたのですが、店員さんは、口を揃えたように

 

「あいにく汎用品を切らしております」

 

と言います。

 ディーラーだと、点検だけで三千数百円もかかるということを知っているので二の足を踏んでいたところ、同じくゴルフに乗っている半澤先生が、なんと山形では「〇ヨタ〇ローラ店」でも「VOLKSWAGEN」を扱ってるとおっしゃるので、さっそく喜んで電話をしてみました。かくして無事ワイパーは新品となったのです。

 実は、ここまでが長い「前置き」。ここからが本題です。ワイパーの取り付けを待っている間、商談スペースのテーブルでコーヒーとケーキをいただいていました。するとちょっと離れたテーブルで、「フィールダー」の商談が行われています。「ヴァリアントオーナー」としては、経常的にちょっと気になります。聞き耳を立ててしまいます。

 

セールスさん「……それから保証は三年、または十万キロです。ここまでよろしいでしょう

      か?」

お客「はい」

私 『えっ? 何で? 良くない!! どういうこと?』

 

 思わず質問したくなりました。「保証は三年、または十万キロ」では説明不足。どういう意味なのか、即座にそして明確に確認すべきです。

 

①  三年間までの保証か、十万キロまでの保証か、どちらか好きな方を選んでください。

②  三年が過ぎるか、十万キロを走破した時点で保証は切れます。

③  三年未満か十万キロ走行未満のどちらかであるうちは保障いたします。

 

 いずれにでも受け取ることができるじゃないですか? トラブルのもとですね。さて問題です。お客に都合のいいのはどれですか?