中国における「貧困」の認識変化とその影響とは?「能力不足」から「不平等な機会」への変化がもたらす社会的緊張

佐藤美穂 の意見 2024.8.21

中国における「貧困」の認識変化とその影響とは?「能力不足」から「不平等な機会」への変化がもたらす社会的緊張 (msn.com)

■ グローバル経済 – 中国人の貧富認識の変化:「富の最も大きな要因」アンケート調査

過去10年間 「能力・才能」が1位 →2023年 「関係」が1位に挙げられる

*貧困の原因、社会システムを指摘 (→人民が気づき始めたかもしれないですね!)

*「能力不足 不平等な機会等」の変化(→「不平等」こそ本質問題です!)

*「5年前よりも貧しい」と答える人が急増:*70%は月収2000元未満

景気後退に伴い犯罪や抗議活動が増加

「私はなぜ貧しいのか。お金持ちはなぜお金持ちになれるのか。」 学者たちは、一つの国における所得水準の差がどれほど大きいかより、社会構成員がその差を「どのように」認識するかが重要だと口を揃える。

クーデターや騒乱などの政治的結果をもたらすのは、不平等の存在そのものではなく、不平等に対する認識だという。これは中国においても例外ではない。

近年、中国人の不平等に対する認識が変化している。自らの貧しさ、他者の富を個人の問題ではなくシステムのせいにしているためだ。これは、中国共産党の一党制にとってかなり危険な傾向と読み取れる。

◇「お金持ちは 『関係』 によって構成され、私は 『不均等な機会』のせいで貧しい」

米ハーバード大学社会学教授マーティン・K・ホワイトと中国専門家スコット・ロジェル、米スタンフォード大学・中国経済センター共同センター長が、共同で実施したアンケート調査の結果によると、多くの中国人が富の最も大きな要因として 「関係(関係・人脈)」と述べ、貧困の最大の要因として 「不均等な機会」 を挙げるようになった。調査は、過去20年間に4回(2004年、2009年、2014年、2023年)にわたり、中国人4万人を対象に実施された。

「お金持ちは、なぜお金持ちになれると思うか」について尋ねたところ、2004年、2009年、2014年の調査ではすべて 「能力と才能」 が1位を占めていた。 次いで、努力に続き、関係、高い教育水準、恵まれた機会などがその後に続いた。

しかし、2023年の調査では 「能力と才能」 が4位に下がり、その代わりに 「関係」 が1位に挙げられた。2位には「裕福な家庭環境」、3位は 「恵まれた機会」 がランクインした。 過去に1位だった「努力」は5位となり、関係や裕福な家庭環境、恵まれた機会はすべて個人の努力では得られないものであり、一般の人々が抱く挫折感や敗北感に反映していると言える。

貧困原因について、社会システムを指摘する声もあり「なぜ貧しいのか」尋ねたところ、2004年、2009年、2014年の調査では「能力不足」 が1位だったが、その後、 「努力不足、レベルの低い教育、不平等な機会、家族背景」などが続いた。

しかし、2023年の調査ではこの順位に大きな変化がみられ、「不平等な機会」 が1位を占めた。次いで「レベルの低い教育、不公平な経済システム、家庭背景、努力不足、能力不足」 などが続いた。

「貧困層」で進学への意欲低下「大学まで希望」と回答した子どもは24%

貧困原因として1位に挙げられていた 「能力不足」 は6位に下がり、「不平等な機会」と「不公正な経済システム」が1位と3位に浮上したことから、貧困の原因を自身の能力不足や努力不足ではなく、社会システムに求める傾向がみられる。

「私がお金持ちになるか、貧困者になるかは自分自身の責任である」という質問に同意した回答者の割合は、200449%から202327%に減少した。逆に、これに同意しない回答者の割合は25%2004年)から48%2023年)に増加した。「我が国(中国)では努力は常に報われる」という質問に同意した回答者の割合は62%から28%に減少した。

3分の1が 「5年前よりもさらに貧しい」…騒乱の可能性に「注目」

中国人のこのような認識の変化は、ますます悪化する経済状況と拡大する貧富の格差に起因すると解釈される。

不動産経済の危機を含む中国経済が、景気後退に入ったとの海外専門家の分析が出る中、中国人自身も景気後退を実感している。昨年(2023年)の調査では、

年収5万元(約1023206円)未満の回答者の32%が「5年前よりも貧しくなった」と答え

*5万(約1023206円)~10万元(約2046413円)を稼ぐ回答者の24%

*10万元(約2046413円)以上を稼ぐ回答者の19%も同様の回答をした。

所得水準に関係なく、多くの人々が経済的困難を訴えている。

「経済好況だった2009年には、

*5万元(約1023206円)~10万元(約2046413円)を稼ぐ人のうち、5年前よりも貧しくなったと答えた割合はわずか1%であり、

*10万元(約2046413円)以上を稼ぐ人々の場合、5年前よりも貧しくなったと答えた人の割合は20045%20090%20141%にとどまっていた。深刻な貧富の格差も、中国人の認識の変化に影響を与えたと考えられる。」

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北京師範大学が2021に発表した資料によると、

月収2000元(約4928円)未満の人は、中国全体の人口の70%に近い96400万人に達している。中国の経済的な不平等を示すジニ係数は、世界最高水準の0.4682020年基準)に達している。

ホワイト教授とロジェルセンター長は「経済が急速に成長しているときは、不平等を喜んで受け入れるが、経済が揺らぐと不平等に対して不満が高まる」と述べた。

景気後退の中、経済的な不平等が拡大し自殺や無差別暴行といった犯罪が増加するなど社会的緊張が高まっている。

中国政府も、経済的な要因による騒乱を最も懸念している。香港に拠点を置く中国人権団体の中国労働通信(China Labour Bulletin)によると、昨年、中国国内での労働者の抗議活動は約1800件に達した。これは、2022年の2倍以上に達する。

米国際人権団体フリーダムハウスは、今年の第1四半期だけで、中国国内でのオンライン抗議を含む、さまざまな抗議活動や騒乱が合計655件発生したと報告した。

また、中国を離れて他国を目指す中国人が増えている。アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)の資料によると、昨年、米南部国境で拘束された中国人不法移民は37000人以上となり、前年の10倍に増加した。

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国を捨てる人民の増加

過去10年間 「能力・才能」が1位 →2023年 「関係」が1位に挙げられる

まさに、自分の努力・才能だけでは、豊かになれないのはなぜ?と思い始めた人民が、なぜ?を考え始めて、「関係」という中国本来の人間関係に想いが行った・・・気づいた瞬間なのだと言えるだろう。『矛盾に気づいた時代』コロナの時を経て、「なんで?」と覆い始めたのだろう。権力に抗うと危険だから逃げる。「逃げるが勝ち」とばかりに逃げ出すのが移民の問題なのだ。

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中産階級の創出に失敗→階層の二極化

*近代資本主義の成果は、前近代にはマルクスが分析したような「二極化」(「持てる階級」と「持たざる階級」)であったが、近代資本主義は「中産階級」を生み出したっことが、マルクスの想定と異なったことで、共産主義は間違えているし、現実的には共産主義こそ二極化を創り出している。

 

「豊かな社会」とはなにか
中国人は『豊かな社会』の断片を除いたように思えたのだろう。アメリカの金融危機の後の対策が、お金を吹かして、バブルをさらに吹かして、まさに「高度成長」を成し遂げたかのような勢いを1990年から2020年までの30年間、日本の停滞とは裏腹に、中国は成長を遂げたが、そもそも、「高度成長」というのは、経済的に中心国であった国の経済が、先進国並みに成長する、おそらく一度きりの歴史的経済現象と言えるのだ。

イギリスが産業革命を起こして、19世紀に高度成長を遂げて、大英帝国の繁栄を築いたが、帝国主義的植民地主義であったがために、第二大戦後の思想の変化、植民地の解放、独立によって、大英帝国の羽根井は終わる。同時に英国に追従した欧州諸国も植民地を手放すことになるが、それに代わって共産主義の名のもとにソビエトが世界を支配するかのように米ソ二極対立をも足らう時代が来たが、ソビエトは解体して、民主化するかのように見えたが、ツアーリズムに再び戻ってしまう。プーチン皇帝時代はロシアも民主化・近代革命を今回のウクライナ戦争で失うことになるか、または痛みをこらえて、国民が民主化国家に生まれ変わるか、微妙なところで、分裂することで違った国になるかもしれない。

ともかく、未来を見据えた人がいないのだ。人材の貧困が、ロシアを崩壊に導くだろう。

人枯渇枯渇

一番国家にとって怖いことはリーダとなるべき人材の枯渇でしょう。独裁国家というのは、いずれにせよそのような危機を持ちます。

石平 (著):中華王朝滅びの法則 そして習近平は! 単行本(ソフトカバー) – 2024/6/23

習近平“赤い王朝”は崩壊する運命にある!?
「歴史上、王朝を滅亡に導いた皇帝たちの行状の一つひとつを丹念に見ていくうちに、大変面白いことに気がついた。
“亡国の君”たちが持つ人間性や性格上の欠陥、愚昧(ぐまい)さと狂気さ……それらのもののすべてが、習近平その人に集約されていたのだ」
暴君・愚君・狂君・蕩君・暗君・無徳・無能……中国王朝が滅ぶ法則はこれだ!
秦の始皇帝 “宦官政治”による「皇帝の落とし穴」

習近平 “イエスマン”ばかりの側近政治と化す

新の王莽(おうもう) 「儒教的社会主義」の理想実現に燃えた*習近平 “共同富裕”毛沢東主義の復活を*隋の煬帝(ようだい)「大運河開削」「大デモンストレーション」超派手好き
習近平 「一帯一路」で“千年の大計”とぶち上げる
明の崇禎帝(すうていてい) 卑怯で、狭量で、疑心暗鬼な性格
習近平 失敗はすべて部下のせい 10カ月で大臣クラス8人粛清
・“史上最強”の大帝国は一人の悪党の手によって滅んだ・重度の“儒教中毒”に冒された王莽・派手好き、贅沢好きな性格で王朝を潰した“バカ2代目”
・意味のない粛清拡大と崇禎帝の人間的異常っぷり・大臣をスケープゴートにするズルさ・親の七光りで出世街道を疾走・国家そのものが「習近平の国」に
・鳴り物入りの「一帯一路」も大きな期待外れに

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まだ読んではいませんが、これだけで笑えますし、私の知識に合致いたしております。

中国は現在の高層ビルの建つ都市景観を22世紀以降も維持できるだろうか?私はとても不安に思っています。

先に取り上げた中国経済の低下・衰退をどこでとどめて、逆回転させて、底から這いあがる時期がどのように来るか?を考えていますが、私の生存中にはまず無理だと思います。

中国に再投資する魅力があるfでしょうか?

インドが今後変化していくでしょうが、それに追従する国が現れるか。高度成長の期待できる国は、インドが最後でしょう。

アフリカは、そのような世界の資本を引き付けるような国はないと思います。

中国の一帯一路は本来なら有意義な発想ではあるけれど、人口が少ない中央アジアであるし、東欧であるから、限度がある。それに中国の一帯一路も、中国の勝手主義によるものだから、成果は生まない。

いずれにせよ、中国がこれから直面するであろう問題は、他国の協力は得られないでしょう。

*これから言える日本の失敗は、満州国の設立にあたり、利権を独占しよとしたことにあります。あの時に米欧と利権を分け合っていれば、日中戦争の口実はなくなっていたと言えます。中国の歴史も大きく変わったでしょう。あの時代に、日本式に行動していたら、事態は変わっていただろうが、「西洋式」の植民地主義や帝国主義をまねたから、間違えたのです。満州なんて、アメリカに半分利権を分け合っていたら、ソビエトへの防波堤になったであろう。蒋介石がアメリカに助けを求めたことを許したのが日本の間違いだったのだ。

歴史を戻すわけにはいかなから、対中政策における立案は、欧米追従でよろしい。

中国自体が、近代国家になる可能性は極めて低いと言える。

家具のイケア、中国人客のやりたい放題に新ルール導入――中国メディア

真実四郎

【迷惑】スーパーの飲み物売り場の冷蔵庫に素足で足かけ涼む客…イスやござ持ち込む人も「追い払ってもすぐに来る」店員悲鳴 中国

これが中国人の本質と言えるでしょう。

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結局、中国人の習性が、他者を考慮しないのは当たり前で、常に自分本位、という態度、考え方が行動に出るのだと言えるでしょう。自分を正当化し、注意されれば大声を出す。

「近代国家」の条件は、「法治国家」「基本的人権」「民主主義」と、さらに「自由」を支える「自律的個人」ですが、中国人にとって「基本的人権」が誕生する歴史的背景がありません。

中国の思想史において、西洋的な意味での「自由」を論じたものは、ないのではないかと思う。

どなたかが西欧思想との対比の中で、中国思想を分析してもらいたいものだ。

しかし、もっと単純に考えると、人口がその昔から多くて、生存競争が激しければどうなるのか。

インドも人は多かったけれど、中国との違いは宗教性生の違いにあるかもしれない。

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