今年に入り、私の問題意識が、中国の事は引きつづき関心の第一ではあるのですが、昨年から「資本主義」がどこへ向かうのか、と言う問題に関心を抱き始めています。

グローリズムの結果の反省が、かなり意識されて来たことで、政治的にも、経営的にもグローバリズムがもたらしている中国の経済の変化と、アメリカ経済がどうなるの?という問題とが重なってきているわけです。おまけにロシアのプーチンが馬鹿な戦争を初めて、もうロシアは、再生しないでしょう。人口が1億4000万で、韓国と変わらないGDP規模ですからね。

NRI トップ ニュース ニュースリリース一覧 野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計:ニュースリリース

と言うのを見つけまして、以下に示しますが、見てください。

アメリカの人口は日本の3倍です。中国派10倍です。ロシアは1.1倍です。日本の世帯数は5392万世帯ほどですので、5億円以上の金融資産を持つ人口比は3%程度、ロシアを見てみると、戦争などしている状態ではないのです。これ、英国やドイツが入っていないから比較できないけれど、日本は人口比でみたら、かなり伸びていると言えるでしょう。中国の50億資産の所有者と言うのも、この先の数字が出てくれば見ものです。おそらく22年がピークではないでしょうか。

オランダとベルギーが出ていますね。ベルギーの人口を考えたら豊かな国ですよ。

金融資産の所有が増えることは、資本主義経済システムだからできることで、共産主義の経済理論ではできないと言える。「21世紀の資本論」「金持ち父さんと貧乏父さん」の論理は同じです。

そして大事なことですが、中近東の小国や、北欧の国々は、「金持ち父さん」路線に変わっているのです。国

一つのファンド会社になったようななものです。

日本も、この30年のバブル崩壊後の時期に、実は変容しているのです。

 

日本の対外純資産、過去最大の411兆円 21年末

財務省は27日、日本の対外純資産が2021年末時点で411兆1841億円だったと発表した。2年ぶりの増加で過去最大となった。20年末時点に比べて円相場が円安に振れ、企業や政府などが海外に持つ外貨建て資産の評価額が円換算で増えた。日本は31年連続で世界最大の純債権国となった。

対外純資産は日本国内の企業や個人、政府が海外に持つ「対外資産」から海外投資家などへの「対外負債」を差し引いたもの。鈴木俊一財務相が27日の閣議で報告した。

海外資産の残高は前年比9.2%増の1249兆8789億円に上った。国内企業によるM&A(合併・買収)などを通じた直接投資が増えた。21年末時点の円相場は1ドル=115円12銭と20年末に比べて1割超の円安・ドル高だった。円安が外貨建て資産の評価額を81.8兆円押し上げた。

海外から日本への投資などを映す対外負債残高は6.2%増の838兆6948億円だった。3年連続の増加で、日本への直接投資と株式や債券などへの証券投資がともに伸びた。

対外純資産は前年比15.8%増となった。

国・地域別でみると、21年末時点で日本に次いで対外純資産が多いのはドイツで315兆7207億円となった。香港が242兆7482億円、中国が226兆5134億円で続いた。2月のウクライナ侵攻後、西側諸国から資産凍結の制裁を受けるロシアは55兆2128億円だった。世界最大の純債務国は米国で、対外純債務残高は2067兆3330億円に上った。

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さらに家計における金融資産が、増加しているのです。つまり私を除いた多くの方が「金持ち父さん」コースを歩いているのです。

 

 

 

要するに、日本は貿易で輸出で稼ぐと言う段階を超えているのです。ピケティの言う「21世紀の資本」を実践しているのは日本案ではないでしょうか。ただいま「変身中」です。

正直、私ももっと早く気づいていたら、女房を苦労させることもなかったでしょうに。〈金儲けなんてはしたない>なんて思っていたのが間違い。「金儲け」が悪になるのは、道徳を持たない時です。

「金儲け」=利益=貯蓄+投資→「資産形成」=「人生の目標自らが目指すものの実現」のためで、マルクスの言う『下部構造』説は人の人生にかかわることであって、「生計」の基本です。その「生計を安定させる」ことから、さらに自分の「夢」をかなえるためにも大事な経済行為です。「教育」が間違えていると、最近思っています。私は変化に乗り損ねた。

しかし国は最近それに気づき始めたかな。

ただね、グローバリズムの推進者たちはいささか、チャイナ風の経済行為に染まってしまって、道徳倫理を忘れていたようで、金もうけだけに走ったんでしょうね。

その結果、「見捨てない社会を取り戻すために」、ポール・コリアー氏などは、「倫理を回復する」ことを求めるのです。

まだ世界には、「大不平等」が国どうしに、国内でも地域ごとに、また人の間に、大きな不平等がある。それを解決するために、暴力によらず、知性で解決しなければならないでしょう。それができるのも<資本主義というただひとつの社会経済システム>

であることを認知しての上でできることです。中国やロシアに見る「政治的資本主義」が成功するための決定的要因として、フランコ・ミラノヴィッチが「資本主義だけが残った」p150に3つの克服すべき課題を指摘しているが、1,政治と経済を切り離す。2に腐敗の少ない中央集権が実現できるか、にあるという。そして否定的な見方をする。

私は、最近の多くの経済学者たちが気づき始めてきた「道徳」や「倫理」」、「悪と善」などを思うと、ウェーバーの言う資本主義の《精神》の復活を願わざるを得ない。

能登半島の被災地に、自遺体の自衛隊の迷彩服を着て盗みに入る輩が現れていると言いう。こういう行為をする輩をぜひとも見つけ出してほしいと思う。犯罪者であると同時に、「資本主義の文明」の破壊者なのだ。

日本はこれから、大きく変わると思う。

明治維新期に、近代国家に変わる一大変革を目指したが、日本は欧米に習い「大国主義」を目指したのが間違いだと指摘する田中彰著「小国主義」岩波新書が、底流を流れていて、日本近代史を振り返ると、ここにもどるようだ。そして今、明治維新の時に、ドイツのビスマルクに感化された誤りを、修正しているのです。そういう変化期でもある。確かに日本の発展は「大国」なみであるが、実態は「小国主義」で行くべきであったのだ。今その道に修正をしていると言える。

中国とか北朝鮮という時代遅れの国が、2周遅れのランナーのように走っている。そのために日本も軍事費を持たなければならないが、軍事力の開発に投下する資本を、民間に転用できれば投資は回収できる。しかしそういう土台がなければ、軍事費は債務になってしまう。右のポケットにお金をもたらっさないのだ。だから「金持ち父さん」にはなれないのだ。日本は今とても大事時期です。岸田さんが理解できているかはわからないが、国民が「真面目だから」おそらく良い方向へ変わるだろう。

グローバリズムと奇っ信者がこじ開けた中国への穴は、道徳倫理のない営利欲を世界にばらまいて、アメリカも染まってグローバリズムなどとはやし立てたけど、おかしいことに、かろうじて気づいたのだ。これは「危うい」とね。

アメリカがアメリカであろうとすればまだ救いはある。そうでなくなった、中世以前にもどるのではないか。その兆候も指摘されている。私の生きている間に結末を見ることはないだろうけれど、神様に祈るしかないです。

「限界費用ゼロ」のドイツのメルケルの心をとらえたリフキンの政策と、コリアーの言う「見捨てない社会をとりもどす」思想の政策のどちらかを選ぶとしたら、コリアーの説にそった政策となるだろう。

今回の能登半島地震の対応などは、日本的と言えばそれまでだけど、混乱の中で、秩序ある対応ができているのではないだろうか。沈静化と再生のための取り組みが波乱なく進むことで、被災者の生活が早く再生されることを願うだけです。