1)久しぶりにレコードチャイナの記事に目が行ったので、取り上げてみました。
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「中国経済は日本と同じ轍を踏むのか、中国の政治学者の見解は…」
Record China    2023年12月1日(金) 7時0分
2023年11月29日、中国の政治学者で中国人民大学国際関係学院の金燦栄(ジン・ツァンロン)教授が自身の微博アカウントで「中国経済は、日本と同じ轍を踏むのか」について自身の見解を披露した。
金氏は中国経済が現在困難に直面しており、特に米国人を中心に中国経済がすでに天井に達したことを意味する「ピーク・チャイナ」という言葉が出回っていると紹介。また、
中国人の中には現状を1980年代の日本と比較し、急激な経済の衰退が間もなくやって来るとする者もいるとした。その上で「こういった考え方は誤りだ」と主張。「日本と中国では違う。日本の戦略には自主性がなく、米国にコントロールされている。そして日本は国土が非常に小さく、資源や市場が不足している。一方で中国の戦略は自主的で、資源も日本より豊富であるため経済回復の余地が十分にある。当時の日本と今の中国を並列するのは軽薄であり、思考の怠惰だと考える」と評した。
金氏の考え方について、中国のネットユーザーは「時代も環境もモデルも違う」「誰かが日本と同じ轍を踏むことを望んでいるのかもしれない」との声がある一方、「不動産に頼り続けていれば、最終的には日本と同じになる」「中国人のお金のためなら何でもするという信仰心を変えない限りは活路はない」「中国経済はまだ初歩的段階にあるのに、不動産によっていびつになった。国は質の高い発展を推進しなければ」といった声も上がっている。(翻訳・編集/川尻)・

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2)ニューズウィーク日本版にこんな記事が。
中国画「隣国の国内」に居住区を建設、写真で明らかに...領土拡大の「既成事実化」に飲まれる小国ブータン ニューズウィーク日本版2023.12.15
また中国は、ジャカラング渓谷の東にあるメンチュマ渓谷でも建設工事を進めていた。ポロックはこちらについても、ブータンが中国に土地を譲ろうとしている可能性があると考えている。
土地の領有権について「既成事実」を積み上げてきた
ブータンの意思決定者は、北部国境での取引に集中しているようだ。ブータンは東南西の三方をインドに囲まれ、残る北側だけが中国と接している。この北方は、ブータンの「庇護者」であるインドにとって重要度の低い地域と言える。その場所で中国は長年にわたって入植計画を進め、それによって土地の領有権について「既成事実」を積み上げてきた。もはやブータンは、交渉のテーブルに着かざるを得ない状態に追い込まれている。オープンソース分析の専門家ダミアン・サイモンは本誌の取材に対し、中国はブータン北部に村の「エコシステム」を構築していると述べた。ジャカラング渓谷の上流には、最初の入植地としてつくられた集落が存在している。
「この開発規模を見れば、これらの村が、単なる孤立した開拓地ではなく、中国の領土的野心を支える包括的なエコシステムの不可欠な一部だということがわかる。ブータンの景観が、さらに中国化することになる」とサイモンは説明する。チベット専門家のクロード・アルピは、ブータンが中国の侵入を阻止する能力を持つかについて懸念を表明した。アルピは11日、NDTVで、「ブータン国王軍の力では、(中国人民解放軍や)国境防衛部隊を押し戻すことはできないし、新しい入植地の建設を阻止することもできない」と語っている。このような状況によってブータンは現在、自国をはるかに上回る大国である中国との国境紛争で苦戦を強いられている。侵入を食い止めるには領土を譲る取引しかない?
この状況を受けてインドは、自国と中国の国境問題にどんな戦略的影響があるかを分析するためにも、ブータンと中国の動向を注視している。中国とブータンの間で土地取引が行われれば、インドにも直接的な影響が及ぶ可能性があるためだ。ブータンは長年、非同盟中立政策を外交の基本方針としており、国連安全保障理事会の理事国とは正式な外交関係を持たないという政策をとり続けている。そのためインドは伝統的に、アメリカとの関係を含むブータンの外交問題のパイプ役を務めてきた。しかし、中国政府は現在ブータンに、直接的な外交関係を結ぶよう働き掛けている。ブータンのロティ・ツェリン首相は就任以降、中国との会談を積極的に推進している。ツェリンが国境交渉に関心を示していることは、中国の侵入を止めるには、取引を行う以外に選択肢がほぼないことを示唆している。(⇒カネで抱き込んでいるんでしょうね、おそらく。)
サイモンによれば、現在進行中の交渉は、ブータン北部の渓谷の状況を大きく左右する可能性があるという。ブータンが、ジャカラング渓谷とメンチュマ渓谷を中国に譲れば、ブータンの主権と領土保全が大きく損なわれる可能性がある、とサイモンは指摘する。英ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)の教授で、チベット史を専門とするロバート・バーネットは、NDTVの取材に対し、ブータンにとってこの地域は、宗教的・文化的に重要な意味を持つと述べている。「ブータンの人々にとってジャカラング渓谷は、文化的・宗教的に重要な地域であるベユル・ケンパジョンに隣接している。つまり中国は最近、はるかに力の弱い隣国の文化的に重要な地域について、その隣国が対応の選択肢をほとんど持たないのをいいことに、根拠の疑わしい主張を強弁しているということだ」(翻訳:ガリレオ)

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 南シナ海の手法と同じですね。中国の政治は、約束や協定・条約の類を守らない、自分たちの都合の良い方便で、強弁するのを常とする。ロシアのプーチンの今回のウクライナ戦争も同じような論理ですね。中国もロシアも政治手法は同じです。

そもそも領地を増やして、その領地の住民を抱えて、何をしようというのか。つまり国土や支配領域を拡大することが「偉大」と思っているのでしょう。古代の英雄と称される皇帝とか、そのような支配者が崇められているわけでしょうが、「政治」とは何か?ということに極まるでしょう。

中国経済が、今でも4%などの成長をすること自体が不可思議だ。世界第二位の規模になって、その2とか1%でも、桁違いに大きいわけだから、現状でプラスの成長をとげること事態が疑問と言える。統計がでたらめであるのは、ソビエトで、ゴルバチョフが政権を握って、実態を知ったことから、ペレストロイカが始まったのだ。現在の中国も、体質的には、ソビエトよりも、もっと悪いかもしれない。

不動産バブルの崩壊、海外企業の撤退、今や金融機関への影響が出始めているときに、問題は深刻だ。


特に、国民の所得が減少して、購買力が落ちているし、貿易関係においても輸出は減少していると言えるだろう。民間の需要供給・生産は著しく低下しており、海外企業も撤退しているので、貿易関係の」数値も減少になると言える。公共投資や国家の需要も減少していると言える。回復の兆しも契機も無いのが現状で、ソビエトと同じ状況に今後もなると言える。楽観視はできない。一番大きな理由は、「中国」というブランドが信用を失いつつあることだが、それに為政者たちが気づいていない。民間企業が衰退して、国営企業にとってかわられるとするれば、官僚支配の悪循環が生まれる。ソビエトが崩壊したときにGDPが半減して、プーチンになってからでも10年かかって元の崩壊前に戻ったものの、それ以降も大きくはかいぜんされていないのに戦争をやって、また下げていると言える。

以下、11月以降の中国経済関係のニュースのヘッドラインだけ並べてみますね。

2023/11/14
中国の消費、減速を示唆する三つの調査結果
2023/12/14 掲載
中国経済にいま何が?「消費の格下げ」「新型貧困」すでに始まっている最悪シナリオ
経済更新: 2023/10/20大紀元
厳しい局面が続く中国経済 景気減速で消費低迷
ロイター編集 2023年12月15日
中国新築住宅価格、11月は5カ月連続下落 70都市中59都市マイナス
Record ASEAN    2023年12月11日(月) 7時0分
中国人観光客が来なくて焦る東南アジア諸国―中国メディア
2023.12.01Yue Wang | Forbes Staff
特需終了で失速する中国のネット出前「美団」、海外事業も苦戦中
フォーブス 2023年12月12日
中国のインターネット検閲官がAI動画の取り締まりと「悲観論」を発表
2023.12.05 forbus
「金」頼みの中国の影響力が限界に、打開策は見つからず
ニューズウィーク日本版
中国「信用バブル崩壊」へのカウントダウンが、「影の銀行」破綻から始まる
2023年01月26日 三浦有史 日本総研
中国の国家財政を揺るがす年金問題
2019年7月17日 21:36 日経
中国の年金積立金「2035年に枯渇」 長期試算に衝撃 中国
2022.7/22 06:30夕刊フジ公式サイト
中国経済は長期停滞局面に突入か 財政金融はドル依存、不動産市場も構造不況に 政府も産業界も脱出本格化を
東京新聞 2023.12.12
《視点》ゼロコロナ撤廃1年 萎縮ムード漂う中国
ニューズウィーク日本版 2023.12.12
中国「信用バブル崩壊」へのカウントダウンが、「影の銀行」破綻から始まる
The Wall Street Journal 2023.12.12
「中国売り」に転じる米金融業界
Wall Street Journal2023.12.11
中国経済の実力、今年は口ほどにもなく
現代ビジネス2023.12.11by真壁 昭夫 
習近平、いよいよ「詰み」か…中国不動産バブル崩壊から「経済政策効果なし」で「年金、医療」まで機能不全に
The Wall Street Journal 2013.12.9
下り坂の中国経済、習氏はもはや大口たたけず  
マネーポストWEB※週刊ポスト2023年12月8日号
中国・習近平政権が抱える「不動産危機」「若者の高失業率」「外資撤退」の難題 解決策自体が「ダモクレスの剣」になりかねない
2023.12.4 Bloomberg News 
次の火種は中国の信託会社か-4分の1以上が深刻なディストレス状態
zakzak 宮崎正弘 

隠蔽中国 倒産続出〝EVバブル〟終焉の中国 販売わずか536台、給料支給できない企業も…メーカーに在庫の山、荒々しい淘汰の波
The Wall Street Journal
中国経済の悪循環、断つすべはあるのか
by Nathaniel Taplin

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11月24© Record China

環球時報は、「中国経済が引き続き成長するこれだけの理由」と題した香港メディアの評論文章を紹介する記事を掲載した。 

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私が記事を集めていて、それらのヘッドラインだけを並べてみただけで、世界の中国への見方がわかるのではないでしょうか。

中国に対する警戒感の記事ばかりで、日本でも日経や東京新聞までも書いていますね。

この20年ばかり、調子のよい時の行動の、下心が見抜かれてしみましたね。AIIBも、一帯一路も失敗ですし、債務の罠が表面化して、さらに警戒されているし、信用を失った国がどうなるか、とくに、アメリカの金融業界が、中國への関心を持たなくなったことは大きな痛手となるだろうが、「反省」をしない文化なので、現状を肯定する『屁理屈』を考えるでしょう。

ただ、アメリカも、まったく中国と縁を切るまでにはいっていないようで、グダグダした関係が続くでしょう。それは、インドの国内の体制、外資を受け入れる体制が整うまでは、グダグダが続くでしょう。インドのモディ首相や、次期のメンバーが、どこまでアメリカとタッグを組めるかよるでしょう。

中国は、成り行きに任せていてよいかもしれない。なぜかと言うと、『計算不可能』なのです。彼らの行為が。デカプリングを静かに進めるしかないように思います。国民の購買力がさらに落ちていき、デフレになるでしょう。ソビエトの時と同じで、中国人に任せるしかないでしょう。

どのように中国が強弁しようとも実際の動きがどうなるかということであるから、観察するしかない。ただ理論的には、良い方向には向いていないと言える。

冒頭に取り上げたレコードチャイナの記事のように、ピーク・チャイナに対する見方を否定するのは当然でしょうが、学者として、どうのこうのと言える立場ではないから、政治に忖度せざるを得ない。

もうすぐ新たな年になりますから、また1年、見ていくしかないです。2024年が、どのようになるのか、注目です。

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