雨のち晴れの記
20キロオーバーの荷物を担いで2時間半、ノンストックで歩いて、ふくらはぎの筋肉が悲鳴をあげて、白出沢の出会いで攣った。手前の道すがら、両足の筋肉がぶるぶるし始めたので、ストックの助けを借りたが遅かった。
激しい攣り具合に、今回の槍ヶ岳行はあきらめた。

一人で槍に行くことを計画していたら、noborundaさんから槍で会えますかとメッセージ。
「えっ」とおもって連絡を取らせていただくと、お仲間でゆるり槍ヶ岳登山という。「ほ~」
では新穂高の無料駐車場で待ち伏せしようと、勇んで家を出ました。
5月4日の朝は低く雲がかかかり、やな天気。
なんとなく不安な思いで、グループにくっついていきましたが、ああ、見事に予感的中。これ以上はグループとは一緒に行動はとれません。なにかと気遣ってくださるフクサンにも申し訳なく、白出沢でみなさんを見送ってお別れしました。

しばらくそこにいましたが、対岸の取り付きを見に沢の大きな石の上をよいこらしょっと。
再び戻り、ザックを背負いました。足が勝手に沢を越えていきます。そして登山道となった道を歩いています。
足が、申し訳ないとでもおもったのでしょうか、雪の残る道を踏み跡を拾うように進みます。全くの一人歩きです。
修験者のように一人で黙々と歩くのも私は好きです。いろんなことを考えながら歩いています。不安と向き合いながら、やれるところまで・・・つまりは納得できていないんですよね。
それでも1時間半以上は休み休みですが歩いたでしょうか、お腹もすいてきたけれど、12時半ちかく、下ってくる背の高い若者に出会いました。
声をかけました。
「早いね」
「小屋まで行ったけど、天気悪くて戻りました」
「そうなんだ、この天気だものね。滝谷までどのくらい?」
「まだ1時間くらいあるかな」
えっ、まだそんなにあるのか・・・
「ところで、小屋を何時にでたの?」
「う~ん、11時ころ」この若者が下りで1時間半も歩いている。
「10人ぐらいのパーティに出会った?」
「滝谷の手まえで、会いました。いまごろ滝谷で休憩していますよ」
「ありがとう」
と言って彼を見送る。
今日はここまで、これ以上は無理ができないと思った。
結局よれよれになって、新穂高温泉に戻りました。
これを書いている今、右足をビッコ引きながら歩いています。両足を冷やしてます。

夕方4時に戻って、去年訪ねていなかった奥飛騨の湯の中崎山荘を訪ねました。ここの温泉はすごくいいです。硫黄分の透明泉。
湯につかりながら、雨の中でテントを張って、濡れてるみなさんのことを思うと、自分だけ湯につかっているのが申し訳ないような気分でした。
ここの奥さんが昔の山岳会の女性で、私と同い年ですが、昔のことを思い出しました。

そんなわけで、今日はおしまいです。
槍ヶ岳を目指しましたが、今回はボッカ訓練に行ったようでした。

足が攣るのは水分の補給が足らないとか、ストックの影響とは別の次元であるらしい。それはまた日記にでも書きます。
でも去年の連休の奥穂高といい、二度行かないといけないようだ。

それでも、今回出会ったかたがたとは、別の機会にぜひご一緒させていただきたいですね。
今日、朝のニュースで白馬で60~70歳の6人グループが消息不明で、爺ケ岳で62歳の女性が救助を求めたという。天候が4日はとても悪かったのでしょう。
我が家か見る富士山が真っ白になっています。ふぶいたりしたと思います。表層雪崩など心配dです。今日無事に肩の小屋に登っているでしょう。

あ、それから滝谷の避難小屋の情報を持っていなかったのが大失敗でした。もし、わかっていたら、そこまで行って、今日、槍平で槍ヶ岳の姿を見に行ったかもしれませんでしたね。
深く反省です。新しいヤマケイアルペンガイド7「槍・穂高連峰」には載っていたのに見落としています。これは経験だけに頼っていた歳のせいですね。

まあ、後ろからくっついて楽しようなんて根性がいけないんだよね。

それから、写真のコメにも書いたけれど、若い男子の登山者が増えている。これはいい。サンダルの子の写真、無頼である。それでいいんんだ。昔我々が若い時も無頼であった。若者を飼いならした時代が元気をなくしているんですよ。若者よ無頼であれ!
山なんてやる若いやつが、おとなしく秩序だって優等生であるはずがない。
それでも最近の若者は絵になってきている。山ガールもかわいいけれど、男の子がたくましく見えてくることが何よりもうれしい。草食男子なんていつまでも言われていてはいけない。

  雪よ岩よ我らが宿り
  俺たちゃ街には住めないからに・・

  荒れて狂うは 吹雪か雪崩
  俺たち そんなもの恐れはせぬぞ・・(でも怖いけど) 

これが昔の我々の時代の歌(雪山賛歌)、でも今の若者はスマートに街にも住む。
山が若者に引き継がれているのを見るのはうれしいね。
爺がいつまでもしゃしゃり出てることないんだよ。

来週はお誘いの丹沢へ、翌週は天気もいいかな・・もしかしたら、行っちゃうかな槍ヶ岳・・・(いい加減にしなさい!)