市場はパウエル発言の良いとこどり | 経済あらかると

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 昨日のニューヨーク市場では、ポルトガルで開かれているECBフォーラムでのパウエル議長発言を受けて長期金利が低下し、株買い材料になりました。10年国債利回りは前日の4.4790%から4.43%台に下げています。そしてダウは162ドル高、ナスダックも149ポイント高となりました。

 

 パウエル議長はCNBCのサラ・アイゼン女史の質問に答えて、米国はディスインフレの道に戻ったと発言しましたが、市場はこれを好感しました。また労働市場の需給も緩和がみられるとしています。

 

 しかし、全体のトーンは「両面併記」の面があり、ディスインフレの道に戻ったという一方で、2%目標の達成は24年も25年も難しいといい、来年後半にインフレ率が2-2.5%のレンジに低下するとの見通しをしています。

 

 利下げは早すぎても遅すぎても経済に負担となると述べていますが、ではいつごろになればちょうどよい利下げ開始の時期となるのかは明言を避けました。

 

 議長は共和党も民主党もFRBの独立性には理解を示していると発言しましたが、大統領選挙の年でもあり、市場に失望や期待を持たせないよう、いつも以上に慎重な言い方をしましたが、市場はディスインフレの道に戻ったとの発言に強く反応してしまいました。