FRBに迷い(1月会合の議事要旨で) | 経済あらかると

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 昨日のニーヨーク市場では、1月開催のFOMC議事要旨の内容と、市場の引け後に発表されるエヌビディアの決算に注目が集まりました。

 

 エヌビディアについては、四半期決算が売り上げで前年比3倍増、利益は8.7倍増と絶好調でしたが、市場の期待値が高いこともあって、このところ株価は低下気味でした。昨日も場中は売られていました。決算が出ると、夜間取引でエヌビディア株は一時10%高となりましたが、これまでの最高値までは届いていません。この決算を機に、ナスダックまで最高値を更新するには、まだ少し距離があります。

 

 一方、前回FOMCの議事要旨では、利下げ開始時期を占う材料と、QT終了の判断材料に注目されました。利下げ開始時期についてはまだ不確実性が高いとして、明確な判断材料は示されませんでした。経済がこれまでの好調を維持すれば、インフレ目標達成への進展が停滞するリスクが指摘されています。インフレ改善へのより大きな確信が必要としています。これらは、まだすぐに利下げ開始の準備ができていないことを示唆しています。

 

 市場の多くは6月に利下げ開始を見、年内に3回ないし4回の利下げを期待しています。

 

 一方、QT(量的引き締め)については、多くの参加者が3月会合で、債券保有残高の着実な縮小をどのように終了させるか、詳細な議論を開始する意向を示しました。また数人の担当者は、FRBが利下げを開始した後でも、しばらくの間QTを続けることは可能とする見方を示しています。

 

 引き締めをしての高成長が続き、株高が進む背景には、これまでの巨大な流動性供給があるとの認識があり、QTをすぐ停止することには抵抗もありそうです。

 

 これらを受けて、10年国債利回りは4.3187%に上昇、2年国債も4.6682%に上昇、株価も場中はダウが48ドル高となりましたが、ナスダックは49ポイント低下しています。夜間取引ではエヌビディア以外でも半導体関連銘柄が買われています。今日のナスダックがどこまで上昇するのか注目されます。