FRBに難問突き付けた2月のCPI | 経済あらかると

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  カリフォルニア州のシリコンバレー銀行破綻から、多くの市場参加者はFRBの利上げはもう終わったと見るようになりました。2年国債利回りは週明けの13日には一時4%を割り込み、政策金利を大きく下回るようになりました。ゴールドマンサックスは「利上げはもう終わった」との見方を示しました。

 

 しかし、14日に出た2月の米国消費者物価(CPI)は、コアが前月比0.5%上昇、前月の0.4%を上回りました。インフレは高止まりしていることが分かり、2年国債利回りは一時4.35%台まで上昇、前日から30bpあまり高まりました。

 

 食品が0.4%、アルコール以外の飲料が1.0%上昇、ガソリンも1.0%上昇しました。コアでは帰属家賃が今回も0.7%の大幅上昇となり、サービス価格が0.5%上昇しました。また航空運賃が6.4%上昇、宿泊費も高まりました。旅行需要の高まりを反映しています。

 

 FRBや政府が銀行支援に動き、金融不安が軽減されたこともありますが、根強いインフレ懸念から、FRBは今後も金融市場の安定と、インフレ抑制の二律背反、「また裂き」にあいそうです。

 

 株式市場は長期金利が反発したものの、FRBの大幅利上げはなくなったとの見方が多く、また金融支援策もあり、地銀株も大きく反発、中には50%近い急反発銘柄もありました。金融不安を抑えつつ、インフレも抑制できるのか、FRBの手腕が問われます。