このところユーロが対ドルで強含みとなっています。一時1ユーロ1ドルのパリティを割り込みましたが、昨日のニューヨーク市場では1ユーロ1.0885ドルまで回復しています。
市場ではFRBの利上げモードが峠を超えたのに対して、ECBはまだこの先0.5%の利上げが2回は続くとの見方が見られます。その背景ともなりますが、ユーロ圏の経済が想定よりも強く、すでに底入れ感が見えることです。世銀など国際機関や多くの予測機関が今年のユーロ圏経済はゼロ成長ないしマイナス成長を予想しましたが、1月のユーロ圏PMIは総合で50.2と、前月の49.3から上昇し、50を上回りました。一方の米国は同じPMIが1月は46.6にとどまっています。
ユーロ圏の底入れ感が強まる背景には、これまで足かせとなってきたエネルギーコストの低下があります。特に天然ガス価格が昨年夏場から半値に下がってきたことが影響しています。原油は高値の120ドルから80ドル程度の下げですが、天然ガス価格は昨年8月の100万BTUあたり70ドルから足元では35ドルに半減しています。
今年の世界経済見通しを上方修正する動きが見られますが、その理由として欧米が思ったほど落ち込まないこと、中国がフル・コロナで回復期待が高まっていることがあります。