注目される西側の対ロ制裁 | 経済あらかると

経済あらかると

生活を豊かにする経済情報を提供します。

 ロシアのプーチン大統領は22日、ウクライナでも親ロシア派中心のドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の独立を承認、その地域にロシア軍を平和維持のために派遣するよう、ロシア国防省に指示しました。

 

 これを受けて米欧は早速反発し、米国は親ロシアは地域への米国人による投資、貿易、融資を禁じる措置を取りました。欧州も同様の措置を取り、両地域を独立国家とは認めない姿勢を見せました。もっともこれらは対ロシア制裁ではなく,親ロシア地域への制裁で、これまで米欧で準備していた対ロ制裁とは異なります。

 

 そして名目はともかく、ロシアがその軍をウクライナ領内の親ロシア地域に派遣することを決めたことに対して、改めて「侵攻」とみて、同盟国と協力の上、今晩にも対ロ制裁を発表するとしています。これが注目されます。

 

 特に、金融市場に対する原爆実験ともみられるロシアの銀行に対するSWIFTからの排除が入るのかどうかが大きなポイントになります。これはロシア経済に甚大な影響を及ぼすとともに、ロシアと関わる周辺国の銀行、企業も返り血を浴びます。BISによれば、日本の銀行もロシアに96億ドルの融資を行っています。最も多いのはフランスの242億ドルで、米銀も160億ドルの融資があります。

 

 軽い制裁内容なら、ロシアは足元を見てさらに侵攻の領域を広げる懸念があり、致命的な経済制裁なら、経済市場に混乱をもたらします。日本も「同盟国」として他人事ではありません。