財務省は本日、昨年12月の貿易統計を発表しました。12月も輸出は高水準を維持し、7-9月以上に「輸出主導」の回復を示唆しました。
12月の名目の輸出金額は、前月比0.1%減となりましたが、前年比では2.0%のプラスに転じました。中国向けを中心にプラスチックが前年比12.8%増、非鉄金属がやはり中国向けを中心に23.2%増となりました。このほか、半導体製造装置も8.7%増加、自動車は4.2%減となりました。
地域別にみると、米国向け輸出は前年比0.7%減となりました。自動車が3.9%増、同部品が12.8%増となったのですが、航空機が59.4%減、半導体製造装置が33.6%減となりました。米国からの輸入は21.9%減で、航空機が88.6%減となったのが効いています。
EU向け輸出は自動車、原動機の減少から1.6%減、中国向けは10.2%増と好調を維持しました。プラスチックが19.9%増、非鉄金属が44.8%増となっています。
一方輸入は前月比1.3%増となりましたが、前年比では11.6%減となりました。原粗油が前年比47.9%減、石炭が34.8%減、航空機が55.1%減となっています。
生産やGDPへの影響を見るために、日銀の実質輸出入をみると、12月の実質輸出は前月比1.1%減と12月の生産にはやや逆風となりましたが、10-12月でみると前期比12.7%増で、これだけでGDPを約2%押し上げます。
一方、実質輸入は前月比0.7%減ですが、10-12月では前期比6.1%増となり、GDPを約1%押し下げます。ネットでは「外需」がGDPを約1%押し上げる計算です。
7-9月のGDPでは輸出が1.1%、輸入が1.6%、外需全体で2.7%押し上げたのに比べると減速ですが、輸出に限ってみれば、7-9月からさらにパワーアップしています。