原油価格は一時ブレントで70ドル、WTIで64ドルあたりが「天井」と見られていました。これ以上になると、掘削リグ数が増加して米国シェールオイルの増産を促し、供給増が価格を冷やすからと見られていました。
ところが、週末のニューヨーク市場ではWTIの先物が66.1ドルまで上昇、あきらかに「天井」を突き抜けました。そして一部で指摘された通り、掘削リグ数は増加し、26日までの1週間で米国内のリグ数は12基増えて759基となりました。
特に、テキサス州からニューメキシコにかけて広がるバーミガン盆地のリグ稼働数は18基も増えています。米国産オイルの増産はさらに進みそうです。
それでも価格が下がらない裏には、今年サウジアラムコのIPOが予定されているためで、それまでは価格を高く維持し、時価総額を大きくしたい狙いがあります。今の相場でも上場で230兆円の資金が集まると言われます。
逆にそれだけの資金を株式市場から吸い上げると、世界の株式市場に大きな下げ圧力になる懸念があり、上場後のサウジなどの石油増産で原油価格の反落も予想されます。原油発の相場不安定バブルが膨張しています。