「あなたはあなたであるがゆえに愛しい」と言われたら、どんな気持ちがしますか。

その通りだと思う、とてもそうとは思えない、そう思いたいけど思えない、色々な反応があるのではないでしょうか。

 

 私たちは、確かに一人ひとりが愛しい存在であるのですが、生きていく上で色んなものに傷つけられるうちに、自分自身を愛しい存在であると思えなくなってしまうのです。

 

基本的には母親から与えられる無条件の存在の肯定によって、自分を愛しいと思う気持ちや自分を大切に思う気持ちが持てるようになるのですが、母親からその保護や安心感をもらえることができない人もたくさんいます。

 

愛をもらうどころか、親から傷つけられ、心に深い傷を負って、いまなお複雑な気持ちに悩まされている人もいるでしょう。学校教育によって傷つけられ、自己肯定感を持てなくなった人、会社の上司に傷つけられ、自分を大切に思えなくなってしまった人、社会によって傷つけられ、つまはじきにされ、生きる気力を失ってしまった人など、誰もがたくさんのものに傷つけられながら生きているような気がします。

 

 皆さんは、傷ついた時に慰めてくれる、自分の存在を肯定してくれる母親なる存在を持っていますか。親との関係が良好で、どんな時も存在を肯定してもらえる人は幸せです。苦しい時に抱きしめてくれるパートナーがいる人は幸せです。

 

打ちひしがれた時に、自分を包んでくれる自分が好きなものを持っている人は幸せです。それは、小さい頃から持っているぬいぐるみかもしれません。思い出がつまった海かもしれません。誰もいない山の中の静けさかもしれません。森の中にある大きな木の包容力かもしれません。親から愛をもらえなかった人は、それらを母なる存在にしてもいいのです。自分の存在を受け入れてもらえている感覚があれば、その人は幸せです。

 

 自分は親からも愛されず、パートナーもいない、好きなものもないという人はどうすればいいでしょうか。どうか自分で自分を抱きしめてあげてください。「あなたはあなたであるがゆえに愛しい」と口に出しながら、自分の身体に触れてみてください。自分を大切な存在として扱ってみてください。傷つけられてきた自分をなぐさめるように、優しく肩や胸を、できれば全身をさすってみてください。

 

 幼い頃の傷が癒えない人は、傷ついた幼き頃の自分を抱きしめてあげるイメージで、「あなたはあなたであるがゆえに愛しい」と語りかけながら、肌をさすってみてください。

 

そうすることで、私たちは自分が自分の母親なる存在になれるのです。親からもらえなかった愛を自分で自分に与えることができるのです。自分で自分を抱きしめてあげることで、少しずつ自分の存在の愛しさに気づいていけるはずです。

 

誰にも何にもおかされるのことない居場所をつくっていけるのです。自分で自分を大切にできることを知った人は幸せです。それは自分自身への無条件の愛だからです。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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あなたはあなたであるがゆえに愛しい