こんにちは、園庭研究所の石田です。
以前こちらでもご紹介しました園庭書籍『園庭を豊かな育ちの場に―質向上のためのヒントと事例ー』が、こども環境学会より論文・著作賞(2019年度)を頂きました。
こちらの書籍は、全国の約1700園の保育・幼児教育施設の皆様にご協力頂きました調査結果を元に、園庭での保育の質を高めるための視点や具体的工夫をまとめた本です。
つまり、「乳幼児へ豊かな育ちを」と現場の先生が日々試行錯誤し取り組まれているご実践そのものです。
こうした中で賞を頂けたことを心より嬉しく、また一人でも多くの方にこうした園庭での保育の豊かさを感じて頂ければ幸いです。
●
以下は、こども環境学会から頂きました書評です。
《論文・著作賞》
『園庭を豊かな育ちの場に――質向上のためのヒントと事例』(㈱ひかりのくに、2019年)秋田喜代美、石田佳織、辻谷真知子、宮田まり子、宮本雄太
本書は、全国1740の保育施設からの質問紙調査結果及び訪問調査によるデータ分析に基づき、子どもが遊び、育つ身近な場所としての園庭、そして拡張された園庭としての地域の望ましい在り方を、遊び、自然、植物、動物、遊具、持続可能な社会、生物多様性等の視点から考察し、その結果に基づく具体的な提案を試みたものである。第1章では、子どもの遊びを保障する「園庭と拡張された園庭」の質が理論的に考察され、第2章では、園庭の物理的環境条件として、生物多様性を学ぶ場の重要性が指摘される。さらに、保育に求められる条件として、子どもの経験や育ちという志向性の質、特に園庭のルール、子どものきな遊び、地域や保護者との関わりという「拡張された園庭」等の重要性が指摘される。第3章では、読者の園庭環境と照らし合わせながら、自園でもできる改善方策が数多くの具体的事例を通して示されている。
全国レベルの調査結果及び考察と、それに基づく多面的な視点からの実践的な提案との結合が実に見事で、厳密な学術研究と日常的実践との実り豊かな統合作品ともいえる。本研究は、園庭という、ごくありふれた場所も、こども環境学研究という照明を当てると、限りなく奥深い世界が開示されるという可能性を如実に示した優れた研究成果である。
以上の理由により、選考委員会では、全委員一致して本書を論文著作賞に決定した。
(高橋 勝)
こども環境学会HP「2019年度(第15回)こども環境学会賞の発表」
●
調査にご協力下さいました全国の皆様、2016年より園庭調査研究を一緒に取り組ん下さいました秋田先生そして調査研究グループの皆さん、そして調査研究を支えて下さいました東京大学Cedepの皆様、ひかりのくに出版社さま編集者さまに心より感謝申し上げます。
お問い合わせ: 電話:080-2381-8611 / メールを送る
次をクリックで、まとめのページをご覧いただけます。→ 研修・ワークショップ / 園庭 好事例 / 園庭の研究紹介 / 園庭づくり
【園庭や幼児と自然のについての著書】
園庭を豊かな育ちの場に:質向上のためのヒントと事例
園庭園庭全国調査に基づいて、園庭での保育・教育の質をより高めるための視点や工夫をご紹介しています。面積が小さな園や制約がある園での工夫や、地域活用の工夫もご覧いただけます。
ひかりのくに
売り上げランキング: 75,538
森と自然を活用した保育・幼児教育ガイドブック
石田は以下を担当させていただきました。→第1章5「幼稚園施設整備指針と園庭調査を踏まえた屋外環境のあり方と自然」東京大学Cedep園庭調査研究グループ/第1章8「幼稚園教育要領等の5領域に合わせた先行研究」北澤明子, 木戸啓絵, 山口美和, 石田佳織
風鳴舎 (2018-10-29)
売り上げランキング: 254,379
保育内容 環境 第3版
石田は第6章4節「自然環境と持続可能な社会」を担当させていただきました。
みらい (2018-03-30)
売り上げランキング: 432,889