こんにちは。園庭研究所の石田です。
『保育本来の遊びが障害のある子どもにもたらす意義 -「障害特性論に基づく遊び」の批判的検討から -』松井剛太 氏(香川大学)のご研究のつづきです。
<以下、松井氏の論文より抜粋(文章の流れを考慮し、一部調整して書いています。)>
遊びの際に、時間を規定するタイマーを使うのをやめた結果、子どもは遊び込んで満足したら自然な形で片付けに入ることができた。
これは、時間を気にせず満足いくまで遊び込むことができたため、子どもたちはタイマー(外的な構造化)がなくとも、内的に安定した状態になったため(内的な構造化)だと考えられる。
(外的構造化=安安全な環境や秩序のある環境を提供すること。
内的構造化=不安緊張などを軽減し、内的に安定した状態を援助すること。
外的構造化と内的構造化は相互関係にある。 )
構造化は本来、遊びを促す環境(物的環境、時間的環境)を整えるため、コミュニケーションを促す環境を整えるために存在する。
例えば 、日課の見通しが視覚的に常に確認できる状態にあること(外的構造化)によって、子どもの不安や緊張が軽減する(内的構造化)など。
しかし、多くの保育現場では、 問題行動やパニックの予防を主目的として構造化が進められているように思える。
日常生活を送るうえで構造化が必要な状況は見られるかもしれない。
だが、子どもの行動を制限するあまり、遊び込む機会を失わせていることはないだろうか 。
保育における遊びの充実は、子どもに快の感情を生み、内的な構造化を安定させる作用と考えると、外的な構造化を取り入れるにしても、遊び込むために必要かどうかを検討することが求められよう。
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