遊び自体を目的とした実践へ | 心と体と学びをはぐくむ園庭を

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こんにちは。園庭研究所の石田です。

障害のある子どもにとっての遊びの意義についての研究をご紹介したいと思います。

『保育本来の遊びが障害のある子どもにもたらす意義 -「障害特性論に基づく遊び」の批判的検討から -』松井剛太 氏(香川大学教育学部)のご研究です。

(図は論文に掲載されているものです。)

 

障害のある子どもの支援として、障害特性論に依拠し、障害から見出された特定の発達課題に焦点化した実践が保育においても行われています。

 

しかし、松井氏は子どもの活動の調査研究により、以下の課題を指摘されています。

特定領域の発達を促すことを目的とした実践 → 教師が指導的になる → 子どもが遊び込むことができない → 発達が促されにくい、といった流れに陥ることが多い。

そして、「十分に遊び込んだ結果全体的な発達が促されたというべき遊びの本質が、障害特性論に依拠すると、遅れがみられる発達の改善を促すために遊ばせることになる。」とも指摘されています。

 

 

そこで、より良い発達を支えるためには、「障害特性論から脱却し、遊び自体を目的とした実践」を松井氏は提案されています。

遊び自体を目的とした実践によって、「教師は子どもの遊びを支える → 子どもが楽しんで遊び込む → 結果的に諸発達が促される、という構造が生まれる」と述べられています。

 

 

(石田より)

私もこれまでに、「障害のある子どもの活動を、園庭でどこまでの活動を保証するか」を悩まれている現場に何度か出会ってきました。

こうした障害のある子どもにとって、松井氏のご研究は、遊び込む大切さを示して下さっており、現場の先生方に力を与えてくださるものだと感じています。

 

また、研究から示されていることは、障害のあるなし関わらず、すべての子どもにとって発達をいかに支えるかについて、重要なことを示唆されているように思います。

 

(続きます。)

一連の研究である「個々の子どもの遊びの構えへの注目」「子どもを見る洞察力と子どもを引き付ける魅力」「遊びの充実に向けての構造化」についてご紹介したいと思います。^^

 

園庭研究所 代表 石田佳織

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