子どもの学びと創造をはぐくむ庭づくり と自然教室 の石田です。
昨日の記事「子どもが通ってみたく・やってみたくなる場所」に、保育士の先生からこんなコメントを頂きました。
子どもってちょっとしたスリルのあることを冒険仕立てにして遊びますよね☆
私も小さい頃こんな場所を好んで通った記憶があります。
今の保育園事情では少しでも危険な場所は敬遠されがちですが、こういう経験が想像力を育てたり、運動能力につながったりもするのでしょうね。
読んでいて楽しくなってきました☆
(ありがとうございます。^^)
私も小さい頃こんな場所を好んで通った記憶があります。
今の保育園事情では少しでも危険な場所は敬遠されがちですが、こういう経験が想像力を育てたり、運動能力につながったりもするのでしょうね。
読んでいて楽しくなってきました☆
(ありがとうございます。^^)
このコメントを読んでいて、はっ!と気づいたんです。
「子どもって、高い場所・小さな穴・細い道・障害物がある道…こういう場所に本能的に行って、生きて行く上で必要な運動機能や感覚を鍛えているんだ!」と。
“子どもの遊び甲斐”というレベルを超えて、“本能として”必要な場所なのではないでしょうか?
前記事でのせた写真は私の住む地域のもので、自然が多い地域なので、子どもが行きたくなるような高い場所や細い場所・障害物のある場所があちこちにあるのですが、
きっと都会であっても、子どもたちは、大人が気づかないくらいの高い場所や細い場所・障害物のある場所を見つけて遊んでいるんじゃないかと思います。
例えば、歩道の縁石が並べられた細い部分だけを歩いてみたり…
大きな水たまりをジャンプしてみたり…。
最近、感覚統合と子どもの発達について、興味深い本を読みました。
育てにくい子にはわけがある―感覚統合が教えてくれたもの (子育てと健康シリーズ)/大月書店
Amazon.co.jp
この本では、発達障害を“感覚統合”の視点から考えられています。
感覚統合というのは、「脳に流れ込んでくるさまざまな感覚情報を"交通整理する”脳のはたらき」。
(以下、本文より)
~私たちの「脳」は、今自分にとって必要な感覚情報」には「脳」の回路として青信号をともらせて所定の場所まで信号を伝えます。
それに対して「不必要な情報」には赤信号をともらせてシャットアウトしてしまいます。
「感覚情報の取捨選択」をしているわけです。
これによって、「適応行動」と呼ばれる、目的に応じた行動やその場に見合った行動が保証されているということです。~
感覚は、
・五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)と、
・意識せず自覚せずに働かせている、固有覚・平衡感覚
からなります。(触覚にも、無意識無自覚の部分があります。)
これらの感覚の中でも、意識せずに働かせている触覚・固有覚・平衡感覚が、感覚統合と適応反応大きく関わっているそうです。
固有覚は、筋肉に生じている張力を感知したり、間接の角度や動きを感知します。
例えば、あなたが目を閉じて、誰かに片手を持ってもらい、腕や手を動かして何かポーズを作ってもらいます。
あなたは、目を閉じたまま、反対の手でそのポーズを真似できますか?
きっと出来るんじゃないかと思います。^^
このとき働いているのが、固有覚。
ものをゆっくり置くとか、丁寧に扱う感覚にも固有覚が関わっています。
平衡感覚は、姿勢を調整している“筋緊張”の程度を左右している刺激のひとつです。
あなたが目隠しをして、誰かにあなたの体を左右どちらかに傾けてもらいます。
すると、きっとあなたは頭だけはまっすぐに起こそうとするかと思います。
ここに平衡感覚が働いています。
からだが傾けられた瞬間に、地球の引力方向とのズレを感じ、全身の"筋肉の緊張レベル”を変化させて姿勢を維持しようとするんですね。
からだの運動方向や加速度を感じるのも平衡感覚です。
平衡感覚が交通整理されてくると、ゆっくり、調整的に動けるようになってきます。
発達障害では、外界から入ってくる感覚刺激に対して、脳が本能による防衛体制をとってしまい、触られることを嫌がったり、慣れない姿勢や高いところを怖がるなどの「感覚防衛反応」が起こるそうです。
本の中では、感覚統合がうまくいっていない場合に、遊びながら訓練していく方法や子どもへの接し方が具体的に書かれています。
例えば、木登りあそびやジャングルジム・おしくらまんじゅう・トランポリン、袋の中の宝物当て などが取り上げられていました。
こうした改善方法を見ていると、屋外、とくに自然の中での遊びに通ずるものが多いんですね。
この本は発達障害のある場合の改善方法について書かれたものですが、
発達障害に関わらず、
きっと、子どもたちは、遊びの中で自然と感覚を鍛え統合させながら成長しているんじゃないかなと思いました。^^
そして、運動機能や想像力も。
まちや公園・園庭校庭が、こうした子どもの成長にも考慮しながら作られて行くといいなぁと心から願います。