「気持ちが前を向くようにおまじないをするよ」
君は急に言った
マイナス思考が離れない僕の頬に手を当てて
手のひらの温もりは優しく胸に染みる
乾いたこの心を潤してくれた
また会おうって笑った君は手をふって
並木道 匂いは季節の終わり告げて
手のひらの温もりは残ったまま
あれからいくつも過ぎゆく日の中
並んで歩いた
うつむいて歩く横顔は少し疲れて見えた
「気持ちが前を向くようにおまじないをするよ」って
あなたがしてくれたように頬に手を当てた
頬をつたって涙流れた
その温度はそっと手のひらに伝わる
僕ら
そっと
笑い合って
歩き出すんだ