涙と温度 | 萩原大介のShortStory

萩原大介のShortStory

シンガーソングライター ハギワラダイスケ オフィシャルブログ

「気持ちが前を向くようにおまじないをするよ」

君は急に言った

マイナス思考が離れない僕の頬に手を当てて



手のひらの温もりは優しく胸に染みる

乾いたこの心を潤してくれた



また会おうって笑った君は手をふって

並木道 匂いは季節の終わり告げて

手のひらの温もりは残ったまま



あれからいくつも過ぎゆく日の中

並んで歩いた

うつむいて歩く横顔は少し疲れて見えた

「気持ちが前を向くようにおまじないをするよ」って

あなたがしてくれたように頬に手を当てた



頬をつたって涙流れた

その温度はそっと手のひらに伝わる



僕ら

そっと

笑い合って

歩き出すんだ