ブラジリアン柔術で特徴的なポジションとして「ニーオンザベリー」があります。
※以下、ニーオンと略します。
knee on the belly
(=腹部の上に膝)と直訳されるように、膝を相手のお腹に置いて抑え込みます。
柔道の抑え込みと違って、ベッタリと動けなくするのではなく、動きや展開を作り出していくポジションです。
どちらかと言うと相手にわざとエスケープさせ動かして、新たに自分にとって有利なポジションに移行していく意味合いがあると思います。
そのニーオンにも二種類あると思います。
まずは「緊張性頸反射型」と僕が勝手に呼んでいる形。
頭が左を向いて、左の手脚は伸びていて
反対側の手脚は曲がっているといったパターンです。
他のスポーツでもジャンプした時の姿勢などで良く見られます。
身体が不安定なため頭の向きと、手脚の位置関係で安定を出しています。
その為、柔術でいうと比較的、下の選手は動きやすく膝をどかそうとしてエスケープを試みてくるケースが多いと思います。
初心者の方が相手だと自分に背中を見せるような逃げ方を誘発させる使い方もありますね。
上の選手としては前方の手脚が自由に使えるのでポジション移行しやすく、動きのある試合展開になるケースが多いです。
このパターンでは膝を置く位置が重要になってきます。
一点で相手をコントロールしなくてはいけないので、コツをつかむまでは直ぐにガードに戻されたりと練習が必要です。
次にもうひとつはコレです。
「ダイアゴナル型」と勝手に呼んでます。
これは対角線上の手脚が同じ形をとるものです。
曲がっている左の腕と脚に加えて右の腕で持っている襟と2点(おへそと右肩)でコントロールしています。
そして頭の向きは真下かやや後方を見るような形になります。
そのため、前者よりはしっかり抑え込めて逃げてくる方向も自分に向かってしか動けない為、カッチリと抑え込めます。
重量級の選手やフィジカルの強い選手も、このパターンが多いですね。
膝の重みと襟と袖の引きで下は苦しいので思い切ってエスケープ出来ないので、ここからそのまま関節技や絞め技に移行するゴリゴリ系のニーオンですね。
たとえ何分、抑え込んでも勝ちにならないブラジリアン柔術ならではのテクニックが隠れています。
世界のブラジリアン柔術の流れもトップポジションからのアタックの強さが大事。という流れにあります。
メンデス兄弟をはじめ、トップ選手は必ずと言って良いほど、このニーオンからの展開で決定的なシーンを生み出してきます。
なかなか得意なポジションではない方が多いニーオンですが、是非とも練習してコントロールできるようになると展開が増えて面白くなりそうです!
僕もトップポジションをもっと身に着けなくてはいけません!
今回はニーオンの時の「頭の位置と向き」に注目するとエスケープや次の展開がもっと見えて面白いですよ。
と、いったお話でした。
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