早いもので来月は、腎癌に罹患して丸10年になります。
癌患者になって10年、時間が経つのが本当に長く感じましたね。
10年前の初詣、長女がくじ引きで1等を引き福女になったり、100年に一度と言われた雪が降ったり。
そんな感じでスタートした2014年の妻の誕生日、
「左の腎臓に5cm位の癌があるので手術しましょう」
と医師から言われ泣きました。朝家を出る時に、今日は誕生日だからお祝いだね、って言ったのに誕生日はたぶんやらなかった様な気がしてます。
この10年を簡単に振り返ると、
検診で尿検査潜血あり。
要再検査になったので近所のクリニックで再検査を受けるとエコー検査で左腎臓癌の疑いとの事。
直ぐに、クリニックの医師から紹介された市内の総合病院へ。
こんな大きな病院に来たという事は、相当マズイ状況なんだと、不安がどんどん大きくなりました。
その後、生まれて初めてCT検査受けて90%以上の確率で腎臓癌との説明を受け腹腔鏡手術で左腎臓を全摘しました。
当時、健康だけがとりえ、と勝手に思っていた自分が、いきなり癌?まだ、43歳だけど?仕事でもやりたい事まだまだ沢山あるのに!子供はまだ1才なのに!どうすりゃ良いんだ?混乱しましたね。
術後の病理検査の結果、淡明細胞癌、4.5cmの腫瘍と転移なしでstage 1B。腎癌の場合はなかり長い間定期検査が必要と主治医から説明を受けました。
今だったら、転移が無ければ7cm以下はstage 1、10年再発率は10%以下なので、そこまで心配する必要はないかな?とも思えそうですが、当時は何の知識も無かったので5cmの大きな癌が体の中にあると知って、違和感や恐怖しかありませんでした。何を見ても、楽しく無いし、常に不安と恐怖と孤独感を感じる様になっていたかも?
2年後の定期検査で、今度は肺とリンパ節の腫瘍を指摘され今お世話になっている大学病院の呼吸器外科で開胸手術を受けました。
多発転移の為に、外科的処置は行わず化学療法一択という判断もあったと思いますが、2歳年上の外科医の医師から「とても難しい手術になると思うけど、僕が責任を持って担当します、根治を目指して頑張ろう」というとても有難い言葉をもらって、この先生に命をお任せしようと思いました。
見事に手術は成功して、画像上確認できた癌はなくなり一応寛解状態に。ただ、病理検査の結果腎臓癌の転移が判明した為、遠隔転移でステージ4に。医師からは、「西洋医学での根治は厳しいね」との説明を受けて、落ち込みました。当時、45歳でした。
それから暫くは引きこもりの鬱状態が続いてしまい仕事に行く事が出来なくなりました。ネット検索を続けていたある日、ステージ4でも、余命宣告を受けても治って元気にしている人がいる事を知り、会いに行きました。
西洋医学では厳しいね、と、当時大きな病院の部長と准教授から言われていたので、ここからはエビデンス関係ない感じで、とにかく会って話しを聞きたいと思いました。
しかし、
ステージ4、余命宣告から治った?
本当か?
お金目当てか?
実際に会う迄は、色々、疑いがありました。
しかし、実際に会って世の中には色んな人がいる事を知り、確かに少数かも知れないが治った人に会って話して、厳しい状況でも治った人がいた、自分の中で腑に落ちました。
そんな人たちを見習って、自分も出来る事はやろうと鬱から立ち直り、分子標的薬スーテント、玄米菜食、適度な運動、温浴、生きがい探しなどを中心に取り組んだのですが、三年後に再再発。
今までやってきた養生は継続しながら、オプジーボ、現在はサードラインのカボメティクスを服用しています。
最近は、心の持ち様、気の流れが良くなる様な体操を教えてもらって家でやったりもしています。食べ物については、以前の様な厳格な食事制限はやめて、野菜中心として、少食を心掛けています。
43歳で癌に罹患して、困ったのは、癌に対する知識がない、相談できる人(詳しい人が)いない、漠然とした不安、死の恐怖、先の不安でした。
当時も今もブログは情報を得る事が出来る貴重な存在、そしてそこで知り合った方々との情報共有もとても参考になって有難いです。
なので、今回は簡単ですけど10年を振り返ってみました。
私の経験が少しでも誰かのお役に立てたら幸いです。