朗読「銭形平次」
「五つの壺 」、YouTubeちゃんねるにUPしましたー。
雑談等々は最終回です。
「又一人やられましたよ、親分。あの福井町の加納屋で」
![てんとうむし](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/055.gif)
さて、そろそろ
ネタバレ的な話も含みますが
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加納屋に隠されているという
瓶(かめ) 五~六杯の金。
隠された場所は、主人の五郎次しか知らない。
が、最近、その金を狙って
縁側や土蔵の土台下を掘り荒らす者がある。
…というのが
年配の番頭・忠吉が八五郎に話した話。
瓶五~六杯の金…
「瓶一個に三千~五千両入るとして…」
と八五郎は想像しますが、
千両が5000万~1億円としたら
三千両なら1億5000千万~3億、
五千両は2億5000万~5億、
ということは、最大で30億円…
どうも想像もつかないなあ。
本文にも
「銀行も金庫も、株券も手形もなかつた時代に、
金がどうして蓄へられたか、」
とか
「大部分は本人或は子孫に取り出され、
再び流通貨幣の役目に就いたにしても、
その幾部分かは、いろ/\の原因で隱したまゝ忘れられ、
後の世の人の好奇心と欲望をそゝつたことも想像される」
とか
「戰亂や盜難を避けて大地の底に埋められ、
そのまゝ忘れてしまつた額も、決して少ない筈はなく、
大袈裟に言へば、
我々の踏んでゐる大地の下には、
思ひも寄らぬ巨額の金銀貨が埋藏されてゐることもあり得る」
とか。
なんとなく思い出すのは「徳川埋蔵金」とかですね。
あんまり詳しく知らないけれど、
徳川埋蔵金はホントにあるのか? ないのか?
とかよく見かけますね。
ウィキペディアさんを見たら、
「徳川埋蔵金」って360万~400万両、
3000億円くらいと言われてるんですってね。
それこそ想像もできないなあ。
そう言われると、確かに夢が広がります。
徳川埋蔵金には及びませんけど
加納屋から30億出るかもしれない、と思ったら
結構わくわくするお話なんだなあと
あらためて思ったりする。
しかし
夜、不審な物音を聞いて外に出た
若い番頭の香之助が
一度目は殴られ、
その何日か後にはやはり庭で殺されて、
その後も、
今度は主人の五郎次が剃刀で殺されるという
事件が続きます。
家の者の話を聞いていくうちに
主人の五郎次には
勘当された跡取り息子、練太郎というのが
女房のお綾と一緒に本所辺りに住んでいることがわかります。
主人の五郎次は、ケチで貯める一方、
しかし、息子の練太郎は使う一方だというから
なるほどねー、あやしさ満点。
さて、加納屋の埋蔵金を狙っているのは
息子の練太郎なのか?
さらに、
三輪の万七親分が、
埋蔵金を巡る仲間割れで香之助を殴ったと疑い
練太郎夫婦を縛っていきますが、
万七が練太郎夫婦を連れていったのは夕方。
しかし、香之助が殺されたのはその日の夜だから、
練太郎の殺人(殴った時点では未遂、傷害罪?)の
疑いは晴れる。
で、事件は主人の五郎次殺し、と発展していくのですが――
これはよく考えると
なかなか複雑な仕立てですねー。
香之助殺し(と未遂)の犯人、
五郎次殺しの犯人、
実はそれぞれ違うわけです。
そして最初に疑われた総領の練太郎、
金遣いが荒くて
主人に反対された結婚して
主人とは仲たがいをして――
しかし、主人と仲たがいをした本当の理由、
埋蔵金に対する練太郎の考え、
お話が進むにつれて明らかになっていく真実。
その辺がおもしろいところです。
(七)
東京都中央区・墨田区の両国橋周辺一帯。
【四半刻】 しはんとき
約30分。
五郎次に言いつけられたお組が
湯を沸かしなおしてもう一度持ってくるまでの時間、
30分も経っておりません。
(八)
【半刻】 はんとき
約一時間。
瓶が埋められている場所がわかってから、
みんなで、1時間ほどで瓶を掘り出してしまいました。