銭形平次捕物控 身投げする女(五)(六) | ゆづき24時 2nd

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朗読 銭形平次「身投げする女」、始めました。


今回は(五)(六)のご紹介。


「銭形平次捕物控 身投げする女(五)(六)」

youtube 銭形平次捕物控「身投げする女」(五)~


youtube 銭形平次捕物控「身投げする女」(一)~(初めから再生)

「親分、大変ッ」
ガラッ八が飛込んで来たのは、翌る日の朝でした。



【町役人】 ちょうやくにん
長屋で集団生活をおくる町人たちの中から、
身分的には同じ町人でありながら、
町奉行支配のもとで、町の自治を担った人。
町年寄りの下に、町名主・月行事・書役・家持・家主などがいる。
「町役人(まちやくにん)」と読んだ場合は、
町奉行所の役人のことを指す。

【番太】 ばんた
1.江戸時代、夜警や火事・水門などの番のため
町や村に雇われた者。
2.江戸で、自身番の番人。
木戸の番小屋に住んで、駄菓子・玩具・雑貨なども売ったりもした。
番太郎。
1は、非人身分の者が多かったと言いますが、
まあお話し中の番太は2ぐらいの意味で
考えといていいんじゃないかと。

【三間】 さんげん
一間=1.8メートルなので三間は5.4メートル。

【行方】 いきかた・ゆくえ
時代劇などで、「いきかた・ゆきかた」とか
「いきかたしれず」という言葉を
よく耳にするので、おそらくこの時代には
まだ「ゆくえ」って読みがなかったんじゃないかと思うんですが、
前々から、この語が出てくるたびに、どっちで読むか悩んでいたりする。
とりあえず、台詞中の場合は「いきかた」と読んで、
地の文では「行方不明(ゆくえふめい)」と読んでみることにしました。



てんとうむし



ではそろそろ、登場人物も出そろったと思いますので、
「身投げする女 の 登場人物 紹介」を~。


ブルー音符銭形平次
神田明神下に住む岡っ引き。

ブルー音符八五郎
平次の一の子分。

ブルー音符お静
平次の女房。

ブルー音符八五郎の叔母
柳原に住む独り者の叔母。八五郎の居候先。


ピンク音符お秋
鳥越の平助店に住む娘。
身投げしようとしているところを八五郎に救われたが、
それは身投げ狂言だった。

ピンク音符丑松
飴屋。お秋の叔父と言っているが、実は仕事の相棒。

ピンク音符お徳
飴屋。同じく叔母としているが、丑松の女房(自称)で仕事の仲間。

ピンク音符清吉
お秋・丑松・お徳と同じ平助長屋に住む屑屋。



てんとうむし



今回の舞台となる、お秋が住んでいる
鳥越平助長屋

「鳥越」ってどこだろう? ――― と調べてみる。

町名か村名かと思って調べてみたけれど、

“鳥越町” なんてないなあ…。

その後、お秋の手紙の中に
「鳥越様の石垣」という言葉が出てくるので、
大名屋敷なども調べてみたけど、ない。

そういえば。」
屑屋の清吉の台詞中に、
「正直屑屋の清吉といや、浅草中で知らない者のない俺だ」
「あの野郎は浅草切っての悪党だが、」

というのがあった。

浅草…? 

で浅草周辺の古地図を見てみても、ない。

結局は、Googleさんのお世話になることに。
「浅草 鳥越」で検索すると…


あるじゃない!! 鳥越神社
 

その周辺の住所は、台東区鳥越
つまり、お秋のいう「鳥越様」は神社のことだったのね。

でも、浅草… いわゆる浅草寺周辺の浅草からは
ちょっと離れてると思うけど…

で、その周辺の江戸時代の古地図(切絵図)を見てみると、

あった!!
左ページ真ん中辺りに赤で塗られた「鳥越神社」とあるのが
おわかりになるでしょうか?


でも、この当時からあるのね、鳥越神社
そして、周辺の地名は、“元鳥越町”
道理で “鳥越町” で探してもないわけだ。

ところで、切絵図のタイトルを見ると、
浅草寺付近の地図は「今戸箕輪浅草絵図」
この元鳥越町を含む地図は、「東都浅草絵図」。なるほど。

確かに、
元鳥越町に住むお秋が、
両国橋や柳原土手で身投げ狂言をしていたっていうのは
納得がいく地理関係。


ちなみに、江戸時代の両国橋は、
現在の両国橋より、もーーーちょい 南側。



今回の資料は、
「江戸時代小説はやわかり/人文社」 でした。



てんとうむし



では、次回は
「身投げする女を巡る旅」で「身投げする女」は最終回。


次回へつづく  猫あたま


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