1から順に足して行く根気と努力
数学者のガウスが小学生の頃、以下のような話が伝わっています。
何回か話題にさせて頂いてるもので、私にはとても真似できません。
担任の先生が授業中に片付けてしまいたい仕事があり、その時間を確保するためクラスの子供たちに1から100までの数を全部足すようにという課題を出しました。
子供たちが計算をやっている間を利用して、先生は自分の仕事をやってしまおうと思ったのです。
ところが、ガウスは瞬時に計算してしまい、先生を驚かせ、且つ落胆させます。
1 + 100 + 2 + 99 + 3 + 98 + …… + 50 + 51 = 101 + 101 + 101 + …… + 101 = 101 × 50
と計算することによって、瞬時に計算し終わったというのです。
この話は真偽が定かではなく、いろいろな形で伝わっているそうですが、どちらにしても、このような計算方法を小学生で思いつくぐらい、ガウスは非凡な才能を持っていたということだと思います。
算数と数学の高校までの生涯通算成績は、5段階評価で概ね2、最高でも3でしかなかった私からみるならば、天才の技としか思えません。
けれどこの話に関して面白いことを、ある空手関連の書籍で読みました。
その著者が言うのには、1から順番に一つずつ足してゆき総てを加えることは、とても労力のいることで、その作業ができるのもまた才能だと言うのです。
ここで注意したいことは、努力を惜しまずにやっていれば、天才と同様の結論や業績に達することができる可能性があるということです。
私は上記の様に算数と数学は大の不得意で、小学校から高校まで泣かされてきました。
けれど大学に進学して文学部で心理学を勉強するようになり、統計学を中心とした数学を勉強するようになってから、文系の中では多少数学がわかるようになりました。
勿論、当然の如く、最初は落ちコボレました。
微分や積分、ベクトル、三角関数、行列など、どれもこれも不得意というよりは、寄せ付けない頭でしたので消化不良を起こしたのです。
しかし受験勉強のときのように、バカのひとつ覚え方式というか、とにかくできるまでやる、というやり方でなんとかわかるようになりました。
劣等生が普通の人間や天才に対抗するためには、人の3倍やるしかないことが、受験生の頃から体験的にわかっていたので、その3倍方式を貫くようにしたのです。
1から順に足す努力は3倍どころではないかもしれません。
これができることは、やはり一つの才能に近いと言って良いのではないでしょうか。
効率重視の天才や秀才にはわからないと思いますが、劣等生にとっては、とにかくやっていれば結果に辿り着けるということが重要で、そしてなによりも安心なのです。
数学でも、このようなバカのひとつ覚え作戦が効きます。
英語はもっと効きます。
英語において才能は全く必要ありません。
才能が必要だとしたら、それは発音や翻訳といったことくらいでしょう。
他にもあるかもしれませんが、少なくとも受験に必要な英語に才能は全くいりません。
ただやるだけです。
繰り返したり、やり直したり、読み直したりするだけでもなんとかなります。
必要なのは根気だけなのではないでしょうか。
つまり、1から順に足して行く根気と努力です。