だめなことを確認して諦めをつけるためだけに仮面浪人を選択する
長期の休みに入るこの週に仮面浪人について迷い始める人がいるかもしれません。
ここで、仮面浪人に対する私の独断的な意見を披露させて頂きます。
私の古い体験からのものですので、一般化はしにくいかもしれません。仮面浪人について考慮している方の判断材料となれば良いと思います。
◆ご両親の多くは反対します
入学金と授業料を払い込んでいるのはご両親です。
ウチの子供も漸く大学に入って、これで一安心というわけです。ご両親は、もう受験は終わったと考えているのです。
それを、合格できるかどうかもわからないのに、まだやるのかという感覚になります。合格するとはとても思えないし、無駄なことはやめてくれということでしょう。
中には、ご両親の応援のもと、仮面浪人となる方もいますが、これは稀なケースだと思います。私の体験では過去に二人しかいません。
どちらの場合でもこの先の一年の中で、模試などで不甲斐ない点数を取ってしまうと、ご両親との言い争いが再燃するでしょう。
常に問題視されながら、この一年を暮らしていくというわけです。ご両親にとっては、不満の種を抱えさせられているということなのです。
◆独学になる可能性が高い
大学に通いながら、予備校にも通えるということはなかなかないでしょう。
また、時間的にも経済的にも、そのような余裕はない場合が殆どだと思います。
独学の方が向いている人もいますが、そうではない場合、自分を律して合格まで辿り着けるかどうかという問題が出てきます。
私の場合は独りで自分に合った方法で勉強する方が良かったですし、経済的にも独学するほかありませんでした。
独学には、やりたいようにできるという利点がありますが、孤独ということもついてきます。
相談する人もなく、ただ独り大学の図書館や自室で勉強しているというのは、時に耐えられない苦痛を呼び込んでくるものです。
それに耐えて、合格まで突き進むことができるでしょうか。
◆大学というところは誘惑の多いところです。
合コンなどの、楽しい集いに誘われたりすることが少なくありません。
勉強に専念しようと思い、友人を作らないことにしていても、クラスの会合や同じ高校の出身者でつくる親睦団体などから、どこで調べるのか、誘いがかかってきたりします。
また、授業に出ていれば、自然に友人というものはできてしまうものですし、それがかわいい女子学生だったり、かっこいい男子学生だったりした場合、なかなか対処が難しい面もあるでしょう。
入りたくないと思っていたサークルも、勧誘に負けて入る事になるかもしれません。勉強に専念したいと思っても、なかなかそうはいかないものなのです。
仮面浪人であるということを、友人にまで言う人は少ないと思います。
つまり、普通の学生であるとして接してくる友人は、誘惑の宝庫を提供してくる存在と言ってもよいのです。
そういう環境で、受験勉強に専念していかなければなりません。
◆納得型の仮面浪人となってしまう
経済的なことや、就職に関する不安など、解決しなければならないことも多いと思います。
ただ、このことは浪人も一緒なので、普通の浪人が抱える不安も、仮面浪人にはつきまとうということです。
そういう不安を考慮すると、在籍している大学の授業を捨てるという判断にはなり難いと思います。
そして結局は、新しい大学を受けて、だめなことを確認するため、諦めをつけるためだけに、仮面浪人を選択したことになるのです。
納得型の仮面浪人であり、この型の仮面浪人はとても多いのではないでしょうか。
入りたいと切望している大学を目指して仮面浪人となるのですが、受験勉強を徹底できずに、やはり自分には無理だった、ということを納得するためでしかない結果となるのです。
その結果、在籍している大学で、学問や研究、資格、技術を身につけて将来に備えることも良いと思います。
ただ、せっかく一年という期間を仮面浪人として頑張るのなら、単なる納得のための挑戦では勿体ないと思うのです。