焦る時期に、焦って読まないで英文の内容を読み取る、ということの例
焦る時期に、焦って読まないで英文の内容を読み取る、ということの例です。
①主語を明確にする。
②その主語に対する動詞を確定して、メインの文章の骨格を発見する。
③メインの文章に付属している、関係代名詞を使った説明文や状況説明の文章を明らかにする。
④代名詞があれば、その指しているものを明らかにする。
⑤わからない単語や文章が出て来ても驚かないで、それが当然だと思っている。
⑥仮定法には注意する。
⑦付録として、英文だけで内容がわかるようになったら、必ず音読する。
これらの視点で、読んで行こうというわけです。
英語の専門家ではない、むしろ苦労して読んでいる私の方法ですので、実力のある人にはおかしな方法かもしれませんし、また、合わないこともあるかもしれません。
参考になるところがあれば、してみて頂きたいと思います。
上記①から⑦までで、一番重要というか、いつも気にしているのが①です。と言っても、主語は何か、なんて意識して読んでいるわけではありません。
読み難い文章が出てきたら、主語とそれに対する動詞を探して行く、ということが普通だと思います。
つまり、普通のことを普通にやっているだけです。但し、普通のことが普通にできなくなることが、長文の場合に多いのです。
特に、ひとつの文章に幾つも動詞が出てきている場合、どれが主筋の文章なのかわからなくなることがあります。
それは、最初に見た時にはとても難しいように見えて、内容がわかってしまうとなぁ~んだ、となる文章です。
Even NASA says there is no limit to what a largely unrestricted U.S. space industry can achieve.
この文章を読んで、スグに内容が読み取れる人には、以下に続くこのブログ内容を読む必要はありません。
そのくらいの実力があれば、自信を持って過去問に当たって下さい。
貴重な時間が無駄になってしまうでしょう。
さて、上の文章、短いのに動詞の数が多いです。
それに what なんていう、慣れていない人には面倒なものも入っています。
最初の動詞である says は誰でも、NASA が主語で、述べているとか、言っているとかいうふうに解釈できると思います。
there 以下はその言及内容でしょう。
でも、ここから迷い始める人がいるのではないでしょうか。
what に関係する動詞はどれで、どこまでがその範囲なのか。そしてその内容は、意味する所は何か。
内容がわかる人には、こんなことを言って並べていると、バカにされてしまうようなことなのですが、わからない人には、ちょっと考えてしまう内容なのです。
一見して、内容が掴める人でも、長い文章の中に出てくると迷ってしまう場合もあるのです。
この文章は、2013年早稲田大学商学部英語入試大問2よりの抜粋です。
面倒にしているのは、unrestricted という単語です。
長文を読んでいる受験生は、多くの場合過去分詞が出てくると、受動態でなければ前後にある名詞などを説明している分詞であるとして読み進むことが多いようです。
暗黙の前提として、そのように読んでしまうのです。
なぜなら、そのような用例が圧倒的に多く意識されているからです。
decayed tooth , fallen leaves, retired official
虫歯、落ち葉、退職官吏という表現がありますが、このような簡単なものが長文に出て来てもすぐにわかるので、あ、これ分詞だ、などと意識しては読んでいないでしょう。
これらはすぐにわかるので、解釈する必要がない、と言っても良いと思います。
では、以下はどうでしょうか。
The man reading a book over there is his teacher.
They defeated the army led by the king.
上の二つは、簡単なものではありますが、少し考えないといけないと思います。
あそこで本を読んでいる人は彼の先生です。
彼等は国王に率いられた軍隊を打ち破った。
一応このように理解するためには、『読み取り』が必要になってくるからです。
このように、名詞、代名詞の後ろにくる分詞については、「意識して読む」ことが多いと思います。
ですので、
what a largely unrestricted U.S. space industry can achieve.
の、unrestricted がどのような働きをしているのかと迷い始めて、前には名詞がないし、後ろには、can なんていうものが来ているし、どうなるんだろう、となってしまうのです。
そして、unrestricted の相手は、what に隠れている a thing , things, anything みたいなものだろうとして、
what a largely unrestricted
U.S. space industry can achieve.
このように二つに分かれるのではないかと、解釈するのです。
でも、このように二つに分けてしまうと、NASA の言った内容が、文章としてまとまりがつかなくなってしまいます。
ここから迷走が始まって、内容がわからない、となるのです。
内容を知ってしまうとごく簡単なことなのですが、わからない場合には、全くわからないのです。
うまく解釈できる人は、何を下らないことに迷っているのだ、と思うはずです。
ここに、長文のやり難さが現れているのだと私は思います。
つまり、わかる人には当然のことなので、そしてわからない人にも、カラクリがわかってしまうと、全く下らないことなので、敢えて説明しようとはしなくなるからです。
どういうことかというと、このように簡単ではあるけれど、少しばかり読み難い箇所は、あらためて説明する先生もいなければ、書籍もない、ということになるからです。
what a largely unrestricted U.S. space industry can achieve.
は、次のように解釈します、という大袈裟な言葉が恥かしくなるくらい、簡単です。
a largely unrestricted U.S. space industry 主語
can achieve. 主語に対する動詞
大きく制限を緩和されたアメリカ宇宙産業が成し遂げられる事
という意味になると思います。
Even NASA says there is no limit to what a largely unrestricted U.S. space industry can achieve.
全体では、
ナサでさえ、大きく制限を緩和されたアメリカ宇宙産業が成し遂げられる事になんの制限もないと述べている。
limit は少し面倒な単語で、
There's a limit on spending. 出費には制限がある。
There's no limit to desire. 欲望には限りがない。
というように、on , to を取ることがあります。
制限が on , 限度が to と辞書には書いてありますが、私にはよく判断ができません。
制限と限度の違いって、ちょっと難しいですよね。
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