受験勉強は積み上げ方式ではなく、トップダウンで突き進む
過去問を全然手にとらずに、この晩秋か冬の寒い日に、学力が十分に整ってから初めて解こうとしている人がいると思います。
進学校や予備校で、先生からの確かな指導があってそうしているのなら大丈夫だと思いますが、そうではなく、自分の決断でまだ過去問を手に取らず、ひたすら基礎力から応用力までを身につけようとしているのなら、少し考えた方が良いのではないでしょうか。
最終の目標がわからず、どのくらいのレベルまで駆け上がらなければならないかも知らず、どんな問題が出て、どのように対処すれば良いかも知らず、時間配分も検討せず、それでこの冬くらいから過去問を解いて、そのとき初めて途方にくれても、もう遅いかもしれません。
受験勉強はトップダウンで行うべきだと思います。すなわち、合格する、という目標到達点から考えるのです。
この試験に合格するためには、何をどうすれば、いつまでにどれとどれを身につければ、特殊なこの問題にはどう対応すれば良いのか、といったことについて考えて行くのです。
目標もわからず、ひたすら実力を養成しても、その実力では足りないかもしれません。
足りていたとしても、特殊な問題形式を苦手としてしまうかもしれません。
時間はどう配分すれば、
問題はどの順番でどう解けば良いのか、
わからなかった場合、どのくらいの時間を割いて考え込めば良いのか、
などなど、解答時間については詳しく考察する必要があります。
過去問は入試対策のための情報の宝庫なのです。
解かないまでも、手にとって戦略を考えましょう。
問題を読んで、どうすれば、これを時間内に解けるようになるかを考えるだけでも、かなり違います。
また、既に過去問の困難さに対抗していながら、どうやったら攻略できるのかわからない、と言う人もいるかもしれません。
諦めてはいけません。
解けない問題を何題も続けてやっているうちに、対応策や、試行錯誤のたの工夫が湧いてくる筈なのです。
逃げてはいけません。
解いているうちに、必ず方向性が見えてきます。
センターの現代文、難関国私立大学の自由英作文、慶應商学部の品詞を換えて空白を埋める問題、早稲田文、文講学部の空白挿入など、最初はどう解いて良いかわからない問題が私には多数ありました。
できなくても、たくさんやっているうちに、大書店の参考書売り場で対策できるものはないかと探したり、自分なりに対応策が見えてきたり、新たな試行錯誤を試してみたりと、もうだめだと思った問題になんとか対応できるようになってきます。
悩んだら、とことん悩むことです。
逃げていては解決できません。