10.12.3  本 | ひょうたんじじい備忘録«ファイナルカウントダウンに向けて» 

『歴史学の名著30』 山内昌之 ちくま新書

『円熟期 司馬遼太郎エッセンス』 谷沢永一 文芸春秋     西郷隆盛の国家の存立条件と外交の基本に関する理論について、『翔ぶが如く』から次のように述べている。「国が陵辱されるにおいては、たとえ国も人も斃れるといえども、正道を践み、義を尽くすのが政府の本務である。ところが、政府の高官たちは平素、金銭や理財のことを議するときだけは英雄豪傑のようだが、いったん血の出る類のことに臨むと頭を一処に集め、ただ目前の平安だけを計るのみである。戦の一字を恐れ、政府の本務を貶めるようでは、政府は商法支配所であって政府ではない」また「政府は正道を践み、国も人も斃れるだけの精神がなければ、外国との交際はうまくゆかない。外国から軽蔑され、好親がかえってやぶれる」と。 西郷隆盛は明治の新政権に対してのみならず、日本の政府がおちいりやすい体質上の病患を、無限の憂いをもって強く鋭くついているのである。