バギオおもいっきり一人旅【アートなカフェ編】 | ハゲとめがねのランデヴー!!

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『深夜特急』にあこがれる妻(めがね)と、「肉食べたい」が口ぐせの夫(ハゲ)。
バックパックをかついで歩く、節約世界旅行の日常の記録。

 

イチゴの街バギオ

 

マニラからバスでルソン島を北上しバギオへと向かう。

 

フィリピンのバスは凍えそうなくらい冷房がきいており、外は首にかけた手ぬぐいがべちょべちょになるほど汗がでる気温なのに、バスの中はまるで冷蔵庫の中にいるような寒さである。

 

冷房の全くきいていないスリランカのローカルバスが懐かしい。

 

到着したバギオは「フィリピンといえば海」というイメージからかけ離れた、山に囲まれた地方都市である。

大学があるためか若い人がたくさん歩いており、大きくて新しいショッピングモールやチェーン店、カフェや公園がそこかしこにあって活気がある。

 

ここでわたしはこなれたバックパッカーぶって一つみなさんにアドバイスをしようと思う。

 

バギオではキッチンつきの宿をとりなさい。

 

なぜならバギオはイチゴの産地であり、町のいたるところで売られているため、キッチンがあれば宿で洗って食べられるからである。

 

むろん専用のトイレ・シャワーつきの部屋をとれればよいが、一人旅のバックパッカーに戻ったわたしはドミトリーの宿をとった。

 

ドミトリーの宿にはだいたいキッチンがついている。

しかしその宿は立地は抜群によいが、キッチンや物干し場などはないという、便利で不便な宿であった。

イチゴを洗うのに狭い共用トイレを占領するのもはばかられる。

 

わたしはイチゴが好きであり、好きでもわが母国では高くて気軽には買えなかった。

 

バギオのそこらの商店で安価に売られている可憐なイチゴたち。

見ないふりして通りすぎるのもフラストレーションがたまる。

 

ちょっと場所が不便であってもキッチンつきの宿をとって、毎晩イチゴをつまみにスリランカで買った紅茶でも飲んだら、極上の時間になったであろうに……。

 

妥協案としてわたしはイチゴスムージーのあるカフェを検索した。

 

「こういうのは原宿で若者がおしゃべりしながら飲むものなんですよ、あなたはブラックコーヒーにしておきなさい」

 

と店の人に思われるのではないかと疑いながら一人で注文してちびちび飲んだ。

味わって飲んだ。

 

イチゴ、おいしい。

色もピンクでかわいい。

 

ときたまストローに果肉がつまるのがよい。

シロップじゃなくて本物のイチゴが使われているのがわかる。

 

そのイチゴスムージーを飲んだカフェはイリ•リカというアーティスト村にあり、何を隠そうバギオはアートで有名な土地なのである。

 

 

アートの迷宮「イリ•リカ」

 

バギオのにぎやかな大通りから少し外れた坂の途中にその場所はある。

 

「イリ•リカ」。

『地球の歩き方』によると映像作家がオープンしたアート村であるとのこと。

 

バギオのアートスポットとして紹介されていたのでどんなものかと思い行ってみると、一歩入った瞬間に魅せられた。

 

な、なんなんだここは……!

 

ツギハギだらけの壁に曲線の階段、複数の階段が上階にも下の階にもつながっていて、オブジェもそこらじゅうにある。

視線をちょっと動かすだけで全く違う風景になる、ガラクタだらけの秘密基地。

 

中にはカフェや雑貨屋が何軒もあり、飲み物の値段は市中の他のカフェと比べ高くない。

そこでこの「イリ•リカ」はバギオ滞在中何度も通うことになった。

 

おいしいコーヒーが手頃な価格で飲める雰囲気のいい場所が見つかると、旅の幸福度は格段に上がる。

観光そっちのけでいつまでも探検していたくなる、コーヒーの香り漂う迷宮。

 

バギオはアートの町であり、そのアート度合いはわたしの想像をはるかに超えていた。

 

それはこの「イリ•リカ」だけでなく、博物館や美術館からも受けた印象であった。

 

次回はその美術館へと向かう。

 

 

(イリ•リカ。一歩中に入るとそこは完全に立体アート。

アートの中に自分が入り込んでいるという感覚になる)

 

(かわいいオブジェが出迎えてくれる)

 

(ガウディのような階段)

 

(壁や手すりの装飾にはガラス瓶などの身近な素材が使われている)

 

(アートの飛行船とでも名付けたくなる光景)

 

(中庭が見えるカフェスペース。

外から見ても中から見ても絵になる)

 

(フィリピンの「英雄」ホセ•リサールをモチーフにしたアートコーナーがあった)

 

 

(コーヒー豆の種類を選べる店で「BARAKO」という豆を選んだ。

深い、ほっとする味。

あとで調べるとリベリカ種という希少な豆であるよう。

 

博物館に行った後にこのカフェに寄り、上階の秘密基地のようなスペースで日記を書くのが至福のひととき)

 

(なみなみと注がれたイチゴスムージーは、イチゴの酸味とミルクの甘さが完璧にマリアージュしていた)

 

 

 

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