桜庵の箏日記 ~パート譜と総譜(スコア)~

 

  日曜日担当、箏・三絃大好き「桜庵」です。

  今日は「パート譜と総譜(スコア)」の話です。

 

  箏や三絃の楽譜は、

  それぞれが別々になっているものと、

  すべて一緒に入っているものがあります。

 

  現代曲には、すべてのパートが入っているものが多く、

  他のパートの動きが良く分かって、

  合奏がしやすくなっています。

  しかし、紙面を広く取ってしまうため、

  度々ページをめくらなくてはいけなくなり、

  三絃や尺八のように、

  片手が空かない楽器は、

  苦労します。

  箏でも、左手が続けて登場する曲では、

  どこで、ページを変えるか、

  頭を悩ませます。

 

  一方、古曲の楽譜は、

  箏、三絃、尺八、

  それぞれのパートごとに、

  別々の楽譜があります。

  コンパクトにまとめてあるので、

  ページめくりは、大変楽になります。

 

  しかし、他のパートとの兼ね合いが分かりにくく、

  私は、

  結局、自分で書き込んでいます。

  

  昨今は、対照譜が編集されて販売されているものも

  多くなりました。

  全体像が分かって便利ですが、

  これも、広いスペースをとってあるので、

  ページめくりが大変です。

  また、どの曲でも、

  この対照譜があるというわけでは、

  ありません。

 

 

  どういう形が良いかは、

  人によって違うと思いますが、

  いずれにしても、

  他のパートの動きが分からず、

  自分のパートだけ演奏するのは、

  大変難しく、曲想も分かりません。

  できれば、

  他のパートの楽譜も入手するなど、

  何だかの方法で、

  全体を把握してくことをお勧めします。

 

 

  若い頃(数十年前)、

  吹奏楽に関わったことがあります。


  打楽器の代役に入ったところ、

  最初32小節休み、途中16小節休み、

  やっと出番だと喜んで演奏していると、

  またまた、48小節休み、、、、。

  ひたすら、休符を数え、

  出番を間違えないよう、

  冷や冷や演奏していました。

  曲全体を楽しむどころではありません。

 

  ところが、

  指揮者用のスコア(総譜)を見せてもらって、

  それを見ながら演奏すると、

  打楽器が、どんなに効果的に入っているかが分かり、

  楽しくなりました。

 

  やはり、曲全体が見えないと、

  面白くないですよね。

 

  独奏曲は、自分のパートだけあれば良いですが、

  合奏曲は、全体あっての部分です。

  曲全体を把握しておきたいものです。

 

 

追 伸

 先日、久しぶりに、公共交通機関を使って、

  目的地に行きました。

 自家用車なら、自宅から40分あれば到着するところを、

  結局2時間かけて行くことになりました。

 大発見をしたのは、

  目的地の最寄りのJR駅から、目的地までのバス料金です。

  

  事前に調べたバス路線では、

  目的地に行くには、「右回り」と「左回り」のどちらでも可。

 「左回り」で行けば、目的地まで6分程度と近いが、便数が少ない。

 「右回り」で行けば、便数は多いが、目的地まで30分かかる。


  結局、到着時間の関係から、「右回り」に乗ることにしました。

  「右回り」のバス、スタート。

  料金表は、最低料金の170円を示しています。

  5分を過ぎた頃、

 「そこを、右に曲がれば、すぐ目的地」という場所を通りましたが、

  バスは素知らぬ顔で、真っすぐ南下していきます。

  やがて、10分、15分、20分と過ぎ、

  料金表は、190円、210円、230円、250円

  と、どんどん上がっていきます。

(写真は、実際の料金表ではありません)

 

 「え? どこまで行くの? 料金はどこまで上がるの?」

  と思ったあたりで、

  バスは、南下するのを止めて、右に曲がり、

  しばらく進んで、さらに、右に曲がりました。

  つまり、Uターンを始めたわけです。

  ここで驚いたのが、

 「なんと、なんと、料金表の表示が、

  下がったのです。190円、170円」

 

  結局、目的地までは、

  30分乗って、料金170円となりました。

 

  自宅に帰って、興奮して話すと、

 あっさり、

 「距離で計算するんでしょ。当たり前でしょ。」

  と言われ、

  バスに乗っていた30分間の不思議なワクワクが、

  すっと、さめてしまいました。

 

  だって、だって、

  タクシーのメーターが下がることなんてないですよね。

  

  バスだって同じでしょ?

  普通、行けば行くほど、メーターは上がるでしょ?

 

 

では、また来週! 桜庵でした。