ごきげんいかがですか

金曜日は、森田思軒訳 探偵ユーベル をご一緒に

 森田思軒は笠岡生まれの翻訳家(明治)

※ スパイだと亡士(亡命者)らに、裁判されているユーベル。本人の弁明は続く。

 

また、モーパスにあてたる手紙は これただの草案のみ 稿本のみ

また「共和党の共和政治をなすあたわざる所以を論ず」と題せる小冊は なるほど己 これをかけり しかれども ついに印行せざりきと

人々は叫べり

「その小冊はいずこにある」

ユーベルは静かに答えり

「余はこれを焼けり」

カアーヌは問えり

「御身が言うところはそれにて尽きたるか」

ユーベルは頭を振りつつ また述べり

「己はメラニーより少しも借りれることあらず 己が貨幣を有しいるを見たりと言うは その人々のあやまりなり ラッチール君誤らせなり 己は決してタバコ屋ユーレルに赴けることあらず また 己の旅行券は別に故あるにあらず

己は既に赦免されし者なれば もとより旅行券を受くべき権利あり

またアンジーにてリオトーより借れる50フランは既にこれを返せり

己は正直者なり 己は決して銀行手形を有せることあらず

己の使える銭は皆これをメラニーより受けり その高は都合160フランばかりなるべし

また、己は ボアソンにはパリなる安料理屋にて邂逅せり

ボアソンの住居を聞けるはこの時 彼よりせるなり

※弁明はもう少し続く。お金についても潔癖だという。亡士等は、この弁明をどう聞くのだろうか。

※ユゴーは「レ・ミゼラブル」が有名。その元となったのが「クラウド」といわれている。

 思軒が訳している。

※思軒は郵便報知新聞の記者して、山陽道(笠岡を含む)の窮状視察を書いている。

 明治18年頃、当地は、松方デフレ 暴風雨などの災害などで、悲惨な状況であった。

 

※音訳状況

笠岡市史3巻

6章 第二校正が帰ってくる。直してデイジー編集へ。

3章 自己点検中。

眼がとても疲れてる。

 

ではごきげんよう さようなら。