桜庵の箏日記 ~箏・舞台配置~
日曜日担当、箏・三絃大好き「桜庵」です。
今日は「箏・舞台配置」 について話題にしてみます。
箏の演奏会で、
どのように箏を並べるか、
悩んだことありませんか?
もしかして、
舞台設置にも、
一定のルールがあるのかもしれませんが、
私流に考えてみます。
まずは、
「三曲演奏」
つまり、古曲などを、
箏・三絃・尺八の3人で演奏する場合について考えてみます。
これは、多くの演奏会で、
次のような配置がなされています。
古曲の多くが、もともと三絃用に作曲されているので、
中心が三絃、で納得です。
箏は、生田流の場合、向かって斜め右向きに座るので、
三絃の、向かって左側が箏、右側が尺八という並びが、
演奏し易いと思えます。
次に、
「箏2パート(各2人)、十七絃1パート(一人)」
現代曲に多い形です。
曲によって違いますが、
1箏に主旋律が多ければ中央、
2箏と十七弦が、その左右に並ぶことになるでしょう。
お互いの息を合わせるのに、
真横一文字に並ぶより、少し湾曲して。
お互いの顔が見える方が安心して演奏できます。
生田流でも、
十七絃は極端に左向きで演奏することが少ないので、
向かって右側の方が良いと思います。
あと、オーケストラでも、低音楽器は、
舞台向かって右側に位置することが多いようです。
ただ、最近の曲には、
十七絃が主役、または、
十七絃のテンポに、1・2箏が合わせるものも多く、
曲によっては、十七絃が中心の形も考えられます。
続いて、
「箏2パート(4人と3人)、尺八1パート(2人)」
この程度の人数だと、横並び1列も可能ですが、
横に広がると、合わせにくくなります。
そこで、2列にしてみました。
続いて、
「箏2パート、三弦1パート、尺八1パート(各2人)」
箏は、少し重ねるように並べるので、斜めにしますが、
三絃、尺八は、正面を向いた方が、
音の響きが良いようです。
この形だと、三弦が主導権を取らないと
合わせにくくなると思われるので、
箏が主導権を持つ場合は、
三絃はもう少し下がって、
中央向きに、少しだけ斜めに向きます。
このパターンで人数が増えた時、
「箏2パート、三弦1パート、尺八1パート(各4人)」
こんな舞台配置を見たことがあります。
箏の演奏者は、ほとんど横を向いていました。
さらに、パート、人数を増やしてみます。
「箏2パート(5人と4人)、十七絃パート(1人)、
三弦1パート(3人)、尺八1パート(4人)」
こんな隊形でどうでしょう。
人数が少なければ、
2列で収めることも可能です。
もっと、パートと人数を増やしてみましょう。
「箏3パート(各4人)、十七絃1パート(2人)、
三弦1~2パート(4人)、尺八1~2パート(4人)」
ステレオ効果からすると、
各パートの音が、混ざらない方がよいだろうから、
こんな形が良いのでしょう。
でも、これでは、見た目が悪い。
観客から演奏者皆さんの顔が見えない。
演奏がしにくい。
というわけで、
良く使われる形は、
主旋律担当がどのパートなのか、
主導権をとるパートがどこか、
などで、配置は変わります。
さて、何かの参考になったでしょうか。
追 伸
今日も、着物柄紹介です。
「松葉散らし」 です。
常緑樹の松は、一年中、葉を落とすことなく、
緑色を保ちます。
松は、梅や竹と共に、めでたい時に使われてきました。
「松葉」は、二本の葉の根元がしっかりと繋がり、
落ち葉になっても離れません。
だから、夫婦円満の意味もあるようです。
では、また来週! 桜庵でした。