ごきげんいかがですか

水曜日は比庵の歌をご一緒に

 清水比庵 

雄の居ぬ 三つのにはとり かはるがはる 卵を生みて 春うららかに        

 

鶏を飼うか。いいなあ。昔は。

鳥インフルエンザの事もあり、最近では簡単に鳥を飼うことはできない。

比庵は三羽いたようだ。そして、代わる代わるうんでくれれば、新鮮な卵を毎日楽しめる。

雄が居ないので、なにかとややこしくない。

それに第一、早朝のとんでもないときの、鳴き声にも悩ませられない。

春光は穏やかに差し込んで、まことにのどかである。

「にはとり」を探したら、もう一つあった。

にはとりの世話が出来ぬと売りにゆき砂糖を買ひてかへる娘は

どうも、娘さんが飼っていたらしいな。

短い期間のようだけど。

 

「にはとり」で、すぐに頭に浮かぶのは、斎藤茂吉

めん鶏ら砂あび居たれひっそりと剃刀研人(かみそりとぎ)は過ぎ行きにけり

ぞっとするような感じの歌だなあ。

剃刀とぎは、包丁とぎみたいなもんだろう。でも、私はどちらも会ったことがない。

雌鶏は卵を産ませるために飼っている。でも、そうでない時もある。

凄惨な場面は、心を抜けきれない。

笠岡市立図書館の玄関先にある比庵の歌碑

では御機嫌ようさようなら

※はるさんの短歌メモリー

新聞をめくる音だけ聞こえ来る町の図書館館長も読む

退職後、図書館長をしている人がいたので、陣中見舞いにいった。ついでに、その図書館で遊んできた。初めて行く図書館だったので、珍しかった。静かな時間が流れていた。ふと見ると、館長が、新聞をめくりながら見ていた。幽かな音が聞こえてきた。