ごきげんいかがですか?

月曜日は 俳句週歴

   

古壁の崩れるがごとこぼれ萩(山陽)

 

 古くから萩は秋を代表する花だ。だいたい「萩」という感じも、草冠に秋であり、どうも日本で作られた漢字らしい。万招集に最も多い125首もある。昔から身近で広く親しまれている花と言える。和歌にも多いが、俳句にも多い。まず思いつくのが、「一つ家に遊女も寝たり萩と月 芭蕉」だろうか。そういえば、山口県には、町の名前に「萩」さえある。

さて、この句だが、近所に旧家があり、その土塀からは毎年萩が花を咲かせて覗く。秋の楽しみである。それが、なかなか盛んであるので、古い土塀を崩すかのように見える。壁から、こぼれるように枝を伸ばして咲くのだ。

季語は「萩」で秋。赤紫や白の小さな花をつける。秋の七草にもなっている。しかも先頭にある。使い方は、白萩 山萩 乱れ萩などもある。眼目は「崩れるがごと」である。「こぼれる」と連動している。決して、萩が土塀を崩すことはないので、念のため。

2014年 山陽新聞

五感:視覚

 

お口直し俳句

さむざむと 一人の道よ すがれ萩 渡辺桂子

※縋(すが)れる いき違うこと

渡辺桂子は明治34年東京生まれ。渡辺水巴に師事。「曲水」主宰。

水巴忌の一日浴衣来て仕ふ 渡辺桂子

 ちなみに水巴忌は8月13日 浴衣で過ごせる季節だな。

こまごまと萩の空なる枝の先 星野立子

これが俳句かと思う句に出会った

妻となり母となり木の葉髪となる。

西島麦南(ばくなん)

奥様のことを、そんな風に詠んでいいのかなあ?

愛情があふれてるっていえばそうかもしれないなあ。

奥さんは嫌がったかもしれないなあ。

それに、俳句に「。」があるのにも、違和感を感じるなあ。

では御機嫌よう さようなら