ごきげんいかがですか?

金曜日は森田思軒訳「15少年」をご一緒に

 ※悪者二人は遭難者のふりをして、やってきた。中に入り込んで、味方を誘導する魂胆だ。

ロックは額狹く腮つき出でて、一見して恐るべき獰猛の相を具へり、 フホーベスは面上 何處にか猶お一点人らしき相ありて、 ロックの如く兇悪ならず、ワルストンが特に渠を擇みしは、 此を以てなるべし。

二人は始終極めて巧みに遭難水夫のさまを演じたり、 童子等があまり詳しく問いつめて、答えに窮するおりは、あまりに疲労して長く語るに堪えざれば、 少時の休息を許されたしというに託言して、之を遁る。

 然れども渠等が始め洞に入りしとき、 偸かに四下の模様を視まわし、其の守備の嚴重にして武器の完足せるを見て、 心大に驚きたる色ありしは、慧眼なるゴルドンの早くも、 傍らより窺いて心に記せる所なりき。

既にして、2人は童子等に導かれて物置の洞に入りて、 其の一隅に横臥せるが、極めて疲労したる人の如く、 早くも鼾然として前後も知らず熟睡せり。

然れども渠等が其の睫を合わす前に、 物置に貯へある糧食器物其の他諸具の極めて豊饒なるを見て互に目と目を視あわせて、 十分 懽喜の色を顯わせるは、 亦たゴルドンの傍らより窺いて心に記せる所なりき。

9時に及ぶ比おい、モコーは2人の寢ねたる反対の隅に来りて、 其の臥床を設けて、眠りに就きぬ。

 僞り熟睡したる2人は、黒人の子の此處に来り寢しことを知りたるも、 更らに之を意に介せず、若し渠が声を発して人を喚ばんとせば、 渠等は之を拉しぎ殺さんこと、唯だ一挙手の労なればなり。

かくて又た2時間を過ぎぬ、2人は依然 横臥したるまま、身動きだもなさず、 モコーは2人の或は今夜は此のままに過ぎて、明夜を待ちて事を挙げんと慾するに非ずやと、 疑いはじめぬ。

既にして十二時となりぬ、二人は徐々として身を起して、拔き足しつつ戸のかたに進みよりぬ、 天上より吊るしたる燈籠の光は、明かに2人の挙動を照らし出だしぬ。

物置の戸即ち川に面せるがわの戸は、閂を堅くさしたる上、 内より大石を積みかけて、之をおさえあり。2人は先づ是等の石を除きて、 方に閂に手をかけぬ。

 

※悪者二人は、深夜になって動き始めた。石を取り除いて、仲間を入れるつもりだ。どうする?少年たち

燕の赤ちゃんがまだ顔をのぞかせない。

※音訳状況 「カブトガニからのメッセージ」 第二校正をお願いした

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