ごきげんいかがですか?

月曜日は俳句週歴

 

 

日焼けせし腕が白線真すぐ引き

 

  運動会といえば、秋に決まっていた。秋の澄み切った青空に万国旗が揺れると体がぶるぶる震えるように興奮したものだ。

ところが、最近は春に行うことが多い。

この句、運動会の様子を詠んだ。

競技が進むにつれて開会前にひかれていたあざやかな白線も次第に消えてゆく。

そうなると、係の教員が新しい線をその上に引いていくのだ。

鮮やかな白線がよみがえる。

引いている教員の腕は、しっかり日焼けしていてたくましい。

ああ、練習を一生懸命に指導してきたんなと思う。

そして、そのひかれた線は定規で引いたようにまっすぐなのだ。

教員もまた、結果的に練習を重ねたのだろう。腕の黒と白線の白とを対比させながら詠んだ。

   季語は「日焼け」で夏。山登りや海水浴をすると顕著。

昔、若い女性が日焼けすることが流行したことがある。すぐにすたれた。当たり前だ。強い紫外線が、体にいいわけがない。私が、家庭菜園をするときにも必ず、長袖シャツを着る。帽子や長ズボンの着用も当たり前だ。

五感:視覚

2017年山陽新聞

 

お口直し俳句

行儀よく帯締めている日焼けかな 久保田万太郎

久保田万太郎は、明治22年東京生まれ。小説家・劇作家。俳号は傘雨。松根東洋城らに

学んだ。

 飯蛸や龍のみやこの洗ひ米

※龍の都 竜宮城のこと。 いかが?